今回の新型コロナウィルスは当初予想に反して、社会、世界にとんでもない事態をもたらし、収束後は社会を一変される結果になりかねない。
わが国は緊急事態宣言が発出され、「外出自粛」「休業要請」されているが、政府の言う人との接触「8割削減」もままならず、更には「検査数を抑えているので感染者数が少ない、陽性率が低い」のではないかという専門家などの意見も出てきている。
更には、学校休校に伴う学力の地域格差に加えて「9月新学期」の考えも出てきた。
今、外出自粛が要請されている。家の中で何をしていいか迷う日々もあるが、休日でも予算委員会は開かれ、NHKが中継している。与野党議員がこの国難のときに何を、どう審議しているのか見聞きするのもいいのではないか。29日の衆院予算委員会を聞いてみた。
玉木議員が「外出自粛」要請の見通しを質問していた。オーバーシュートまではいたっていないが、感染者数は増加、医療崩壊を防ぎ山を大きくしないようにしている。ある程度効果は出ているが8割にはいたっていない。
「何時?」といわれても専門家の中でもいえない。極力8割を減らし収束を目指すという。
医薬品、ワクチン、アビガンなどの臨床研究を早くし、望めば倫理委員会の承認を得て使用できるようにするとも言う。
玉木議員は「今のような説明を繰り返すから不安が募る」と「トンネルの長さ? 国民はどう覚悟を持って望めばいいのか」と畳み掛ける。人件費、家賃が固定費に占める割合は大きい。
最大200万円の給付、固定資産税などを考慮するというが、「要請はあるのか」という問いに国土交通相は「件数、結果は具体的な数字は招致していない」という。
玉木議員は家賃支払い猶予法案をフリップで示しながら説明、28日に共同提出した。与野党で協議し父さん、廃業を抑えるために早急な結論を出すよう要求した。
安倍総理は議員提出法案なので政府としてはコメントできないが、与党としては案を持ち寄り検討するという。
玉木議員は、接触8割削減ができていないことについて、今は施設ごとであるが、業務で命令、罰則の規制が必要ではないかという。
安倍総理は収束が見込めていないことから更なる政策が必要かという。
そして、財政出動だ。大きな財政出動、たとえば100兆円のコロナ国債で7月末までに収束できないか。
安倍総理は国民に安心感を持たせ収束へ、雇用、生活を守ることを最優先にするという。
ついで共産党志位議員は、「今何をなすべきか」、PCR検査を改善し、必要な人が受けられるようにすべきだ。総理は1日2万件というが実際は8000件? 自覚症状が無ければ検査を受けられない実情を訴える。
今は、保健所を通じての検査依頼で保健所は能力の限界、検査機関も能力の限界では院内感染や医療崩壊は避けられない。そこでかかりつけ医からPCR検査センターに直接依頼する改善策をフリップで説明した。
ところがPCR検査センターの予算化が49億円でまったく不足していると指摘に対して厚生労働相は「違う、運営費だ」という。
この辺がどうなっているのか分からないが、志位議員は東京では検査センターを47箇所設け、予算は一箇所で5000万円、総額200億円を予算化しているという。だとすると49億円は何なんだということになるが説明が不十分だ。
検査数が少ないことは専門家も指摘し、検査数を増やして陽性者を探しそれなりの隔離をすることが必要だが、それがなされていないので市中感染が広がり感染者数の増加が止まらないのではないかという意見がある。
安倍総理は国会で1日2万件の検査能力を言うが実態は8800件らしい。東京で200件の感染者数が出たときの検査数が350件だったことを覚えている。検査数からすると東京で新感染者数が350件を超えることはないのだ。
これは陽性率にも関係する。メデイアの報道では4/9~15日で陽性率17.5%、4/16~22日で12.3%が出ていたが、7%ぐらいではないかとコメントしていた。
検査数が少ないのではないか。自覚症状があり陽性の可能性のある者を検査すれば陽性率は上がるが、希望者に検査すれば陽性率は下がることもある。検査のシステム上保健所がコントロールしているが今は保健所もパンク状態だ。その要因に行政改革で保健所の職員も半減しているらしい。
港区のみなと保健所の様子を見ると密室で混沌としている環境に驚く。いっそうの事AIを導入し症状を訴えている人をスクリーニングし保健婦さんの仕事をバックアップできないか。電話でノートに書きなぐりしていては重要は情報を見落とすのではないか。
そして休校が続き学力にオンライン教育など地域格差が出てきていることで玉木議員は「9月新学期」を問うている。
教育格差は社会に全体で大きな影響を及ぼす。受験生には死活問題だ。1人1台のPCは自治体がしっかり対応することだ。124単位とか34単位と就学上の単位数の話も出てきたが、「対面指導」の見直しが必要か。「学ぶ場所」でもある。
萩生田文科相は「省令改正」でできるかというとそう簡単にはいかない。社会全体の問題でもあり広く認識すべきだといい、安倍総理も「さまざまな選択しを検討」という。
小、中、高校生を持つ娘も、外出自粛は5月の連休明け意向も続きそうで「これじゃ9月新学期」しかないといっていた。
今回の新型コロナウィルスは社会に大きな変化をもたらすのだから、教育も大きく変化することが必要だが、今が「9月新学期」のチャンスか。
国会審議も野党議員はテレビ中継があるということでフリップを作成し、何を訴えているかを視聴者に分かりやすく工夫しているが、閣僚は相変わらずペーパーの棒読みだ。
閣僚も大きくやり方が変わることに抵抗している。検査法の変更に安倍総理は「途中でやり方を変更することは混乱にもなる」と言っている。
昨日の予算委員会で枝野さんが、安倍総理に「最悪を想定しているか」「正常性バイアス」にかかっているのではないか」と追求していた。災難にあったときに「安心バイアス」にかかることがある。自分は大丈夫だと思って判断を誤り事態が悪化するのだ。
新型コロナウィルスに対する政策で右往左往している安倍総理、「極力8割削減」を主張するが、単調なトーンで吉村大阪府知事や小池都知事に比べて積極性が見られない。もちろん緊急事態対応の具体的推進は自治体の首長だが、大きな方針は国が出すことが必要だ、
こんな総理に任せていたから失敗したといわれないように官邸に泊り込んでも先頭に立ってやる「姿勢」を見せてほしいものだ。
5月6日前後に国民にどんなメッセージを発するか。注目だ。夕方記者会見し、即帰宅する姿だけは見たくない。
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