2020年4月22日水曜日

緊急事態宣言から2週間:感染者は増加一方、人出の減少には地域差、好まぬ影響も続出か


東京の新感染者数は、ここ2日102人、123人と100人台だが8日間も100人を超えている。更に感染経路不明者も7割近くと高く、全国的にも累計で1143人、死者275人で感染の勢いは止まらないとメデイアは報じる。

検査数も少なく感染者の数も少ないが、ヨーロッパのようになる危険はあると専門家は警告する。

外出自粛、休業要請の効果も今の結果は2週間前の行動の評価、これからの国民の対応は2週間後に現れる。だからいっそうの努力を小池都知事は訴える。一方、大阪府知事は院内感染を除くとある程度落ち着いているのではという。

確かに、基幹病院などの院内感染は問題だ。医師やスタッフの感染、現場離脱は医療行為に重大な支障をきたしているし、マスクや防護服などの不足は致命傷だ。

ベッド数の不足ですでに満杯状態というが、以前はベッドを減らす政策を取ってみたり、最近では効率の悪い公的病院の統廃合を進めたり、SARSの経験が活かされていない。厚労省の医療政策に問題があったのではないか。医療費の削減を進める行政が、国民の安全、健康を損ねる結果になっている。

家庭内感染も増えているらしい。「自分がかかっていないか、他人に移すことにならないか」との不安で国民が望む検査も国立感染症研究所の「積極的疫学」に縛られていたが、やっとドライブスルーなどでの検査がやれるようになった。

今は、低位で進んでいる感染者数の推移も今後は急激に増加するのか。軽症の自覚症状でも積極的に検査し、重症度に応じ適切な処理をしなければ市中感染は増えるだろう。

変死体を調べてみたら陽性だったという事例が11件発生、更には使用済みマスクが路上や植え込みに捨てられている事例も見つかり感染の危険がある。

又、驚いたことに家庭内暴力が増えているのだ。奥さんに暴力を振るったり、子供を虐待したりするケースが増え、支援するNPOも忙しくなっているらしい。専門家に言わせれば潜在的リスクが顕著になっているという。

又、今までの考え方を変える必要も出てきた。「濃厚接触」の定義が変わったのだ。国立感染症研究所は、「マスクなしで1m以内で15分」「発症の2日前に感染」という。感染経路調査で傾向が分かってきたのだろう。

頼りの「人出の減少」は自治体、地域によってさまざまだ、80%程度の減少が見られる地域もあれば30%しかなく、更には休日と平日でも大きく差が出ている。テレワーク、自宅勤務の効果だろう。

安倍総理は「健康、命を守るために外出は控えてほしい」と訴える。現状のままでは感染者数減少は期待できないと見ているのだ。更に成果が出なければ、「政治的責任」を問われかねないが、「辞めればいいということでもなかろう」と抗弁するか。

緊急事態宣言を全国に拡大した理由に、GWで人出が増え、東京から地方へ感染が拡大し、地方の医療体制を破綻しかねないからだ。高速道の割引は止めるというし、SA,PAの営業も自粛要請するという。いっそうの事、新幹線も減便したらどうか。

外出自粛要請、休業要請は経済面でも影響が出ている。

休業すれば収入はなくなるが、家賃は支払うことになる。月60万円になるところもあるし、契約で7ヶ月前にルール見直しが規定されている例もある。すぐには休業できないらしい。福岡市は家賃の補償を提案している。

廃業、倒産もこれから増えるだろう。完全に収束は難しいが、落ち着いた後の経済再開に大きな支障となるだろう。雇い止め、解雇、採用取り消しなどで社会は大きく混乱する。

働き方も代わるだろう。テレワークがどの程度広がるか。東芝が5万人をテレワークにするという。人間は群れて話をする中で何かアイデイアが沸いてくるものだがどうなるか。

面白いニュースがあった。本業は休業状態だがマスクを高額で販売し稼いでいるというのだ。確かに私の住んでいる町でも洋品店や空き店舗で輸入業者(?)がマスクを販売している。

更に、原油価格がマイナス40ドルだという。経済が停滞し原油タンクが一杯になったので手数料を払ってでも原油を引き取ってくれということらしい。最近ガソリンスタンドに行ったがハイオクも以前は150円台だったが今は130円後半だ。Tポイントで更に2円安くなるという。

ところでこの外出自粛、休業要請の今後だ。

連休明けに今回の緊急事態宣言の成果を評価するのだろう。継続か、解除か。

こういう政策では、政策を始める前に解除するときはどういう状態になったときかをしっかり決めておくことだ。「感染者数の減少」というが定義がない。またまた政権の都合のいい解釈で間違った政治判断をし、NYのようになりかねない。

PDCAのサイクルをまわし成果が確実になるよう国民に正確な情報を流し引き締めていく必要がある。



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