朝日新聞2023.5.10「岸田官邸の実像」で御厨貴・東大名誉教授の岸田総理の人物像が面白く、納得がいく。「深く考えず早い結論・動じない」と評価と批判が一緒になった人物像だ。
自民党弱小派閥岸田派の領袖で、競争相手不足から総裁選に出、総理になってしまった。宏池会8出身ということでリベラル派と思っていたが、意外に保守色の強い政策を打ち出す。安倍氏亡き後も自民党最大派閥の安倍派の意向を重視しなければ政権運営は難しいと思っていたが、何のことはない、何も臆せず安倍政策の継続だ。
原発の再稼働、防衛政策の相見直し、強化、財源をどうするかはまだ不明確、少子化対策も「異次元の対策」というが財源は決まらず。自民党に丸投げの先送りのなっている。先の統一地方選でも野党と政策論議すらせず、面倒な問題には当分蓋だ。
一方で自分に特になる政策は、利用できるものは何でも利用する。長男を秘書官にし外遊に連れて出る。私人であるはずの奥さんを外交に利用し単独でアメリカ訪問までやってしまった。
G7広島サミットは出身地広島、唯一の被爆国を世界にPRできりと考えたのだろう。警備でも問題になる広島を開催地に選んだ。先にオバマ前大統領が来た時も外相として広島訪問、世界にメッセージを発するおぜん立てをしたというが、この時は当時のケネデイー大使の意向が大きく影響したのだ。
今回も広島に次いで長崎訪問まで計画したらしいが、新聞報道ではバイデン大統領はパプアニューギニア訪問を控えていて長崎は避けたようだ。アメリカは日本に2度にわたり原爆を投下した。プーチン大統領がウクライナに核兵器使用を匂わせ、欧米をけん制するが、プーチンは「米国は2度にわたり日本に原爆を投下したではないか」と批判をかわそうとする。
岸田総理はG7サミット議長だ。G7メンバーでウクライナを訪問していないのは日本だけという事態を避けるために、ウクライナ電撃訪問をやった。
次いでアフリカ4か国の訪問だ。経済支援などのお土産も必要だろうが、中国に先を越された対アフリカ外交に後れを取るバイデン大統領に代わってのアフリカ外交だ。
さらに、北朝鮮の核、ミサイル開発に対して日韓がいがみ合っていてはいけない状況下で米国の意向もあり日韓関係の修復に力を入れている。
国会での十分な審議もなく岸田官邸主導の国内政策、外交をやっている。国民にどうやって説明するのか。次回衆院選で国民に正式の問いかけするのか。
G7広島サミットの重要課題はロシアのウクライナ侵攻を同意やって停止させるかだ。日本はプーチンから非友好国とされ、今回の戦勝記念日のメッセージでも中国を称賛するために日本帝国主義を持ち出した。G'サミットにプーチンがどう対応するかだ。
核使用でもすればG7サミットは一気に吹っ飛んでしまう。
御厨名誉教授は、「岸田政権は大変なことがないことを前提に政治を考えている。何か大変 なことがあると意外に弱いのでは」というが、その通りだろう。
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