読売新聞2023.5.2 |
日銀が展望レポートで23年度の賃金改定率は実績値で2.1%、過去の物価と賃金の傾向を参考にした推計値(1.2%)を大きく上向いた。物価上昇を賃金に反映させる傾向が強まったと分析しているが、本当にそうか。素直には信じられない。
2000~19年のデフレ期には賃金は半年や1年たってもほぼ上がらなかったが、1986~95年のバブル期には物価上昇と同程度に上昇していると言うのだ。だから専門家は日銀は賃上げの強さに自信を強めている、方針転換が早いのではとコメントしている(以上、読売新聞2023.5.2)。
この20~30年間賃金は伸びず、グローバル化で東南アジアとの競争で人件費のコストカットで人件費を抑制、日本経済において、経営者も労働者も人件費の低コストに慣れてしまった。
一時、民主党政権で「コンクリートから人へ」をスローガンに人への投資が煽られたが長続きしなかった。
ことには輸入品の物価高から生活必需品の値上げが進み、賃金改定にあたっても物価上昇分を超える賃上げを政権は主張、経済界も同調した。そのために大きな賃上げができたのだ。
政府や日銀が言う賃上げが物価高を招き、経済の好循環を狙ったがその傾向は今まで見られなかったのだ。今後も賃上げが物価高を招く日本経済の好循環が期待できるかどうかは不明だ。
今回の日銀の分析は岸田政権への「ヨイショ」発言か出口戦略への一歩を踏み出そうとしているのか。
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