2012年3月7日水曜日

「消費税増税は景気を後退させないか」に答えられない野田総理


「新党きずな」の渡辺議員に答える野田総理
2012.3.6 NHK国会中継より

今国会の今までの予算委員会審議を聞いていると、野党議員の「消費税増税は景気を後退させないか」という質問に真正面から答えていない。「消費税増税は仕方ないが、今の経済環境下では景気に悪い影響を及ぼさないか」は国民の誰でもが疑問に思っていることだ。ところが消費税増税に不退転で取り組む野田総理は、理解を得るために説明すると言いながら、何ら説明できていない。

緩やかなデフレ(?)からの脱却し、経済再生を目指すことは我が国の至上命題である一方で、政府は以前からプライマリー・バランスの維持も謳っている。社会保障と税の一体改革、消費税増税は避けて通れない、どんな政府でも取り組まなければならない政策課題である。

ところが、今のデフレの経済環境下での増税は経済をさらに悪化させるのではないかという根強い反対意見が多く、消費税増税関連法案の国会提出を前にしても、その疑問が払拭されていない。

野田総理をはじめ政府の説明はポイントを回避した曖昧な説明の連続だ。

今国会の初めごろ、確か自民党議員がボードを使って、橋本政権以来、一時増収はあったが、増税で税収は増えていないことを指摘し増税反対を主張していたが、野田総理の答弁は抽象的で記憶に残っていない。

そもそも予算委員会の審議を着ていて、質問者はテレビ中継を意識してか資料も分かるように工夫しているが、野田総理や大臣の答弁はペーパーの棒読みか野田総理のようにぺーパーは読まないが、当たり障りのない答弁で誠意がない。役人が作ったペーパーの方がまだマシだ。

6日の予算委員会で「新党きずな」の渡辺議員も、プライマリー・バランスを維持していてはデフレ脱却はできないのではないか。もっとインパクトのある財政出動が必要ではないかと質問していた。

野田総理は、23年度1~4次予算、復興予算などで切れ目ない対策を打っている。復興需要も顕在化し、請負金額も増加しているといい、社会保障と税の一体改革は待ったなしだと繰り返していた。

「復興予算が活性化につながるのか」という問いに、安住財務相は「内需を底堅く起こしていくことは、何らかの成長はある」という。

更に、安住財務相は、デフレばかりが悪いわけではない。デフレでも成長率がプラスだったり、失業率も4%台の時もあったと、デフレ脱却が至上命題ではないいいぶりだ。

社会保障と税の一体大綱では、消費税増税法案提出時にも経済環境を考慮するような表記がされていたが、政府は復興需要に大きく期待しているようだ。

従って、「増税が景気を後退させないか」の疑問に真正面から答えていない。いまになってもまだ反対論が収まらないのは、野田総理の説明が不十分だからだ。否、全くできていないからだ。

松下政経塾出身の政治家はデイベートはうまいが、資料を使っての説得能力には欠けるのではないか。

国民の疑問に真正面からの説明をすべきだ。避けて通れないテーマではないのか。

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