消費税増税に対する民主党の事前審査 で紛糾 法案自体が十分に党内議論さ れていないことが明らかに 2012.3.14 フジテレビ NJAPAN |
野田vs小沢、亀井は、消費税増税法案の国会提出を巡って、それに反対し権勢挽回あるいは主導権争いの様相を呈し、野田総理が不退転で臨んでいる消費税増税で政権与党内が厳しい局面を迎えようとしている。財務省に後押しされた野田政権は3月中に法案提出をもくろんでいるが、14日から始まった法案の民主党内合同事前審査は大荒れで、景気の見極めなど政策議論が必要だという。
民主党税制調査会長の藤井さんは「大綱なり、素案というものは党がみんなで決めたこと」、「政府案通り」とコメントしているが、何のことはない党内で十分に議論された形跡はなく、生煮えの法案を増税を目指す人間がごり押ししようとしている。では事前審査はなんなんだと言うとただのガス抜きということになる。
政権与党内にあって小沢さんと亀井さんが揃って消費税増税に反対しているのをどう見るか。
小沢さんの今までの言動から、消費税増税が悪いと言っているわけではなく、今のようなデフレ下では増税は避けなければならないという。2009年のマニフェストで「4年間は増税しない」と掲げたのは、その当時の自民党政権が先に消費税増税10%を謳っていた。それに対抗して小沢さんは「4年間は増税しない」、「予算の仕組み」を見直せば約20兆円はたたき出せると考えたようだ。
そんなに真剣に検討したわけではなさそうで、反自民党から出た政策なのだが、小沢さんグループは「2009年のマニフェスト原点に返れ」という。
亀井さんは、また別の思惑がありそうだ。弱小政党で選挙のたびに勢力を落としている国民新党にあって党勢挽回は望むべきだろうが、政界再編も視野に入れた主導権争いの傾向が見えてくる。消費税増税へ向け政権離脱も匂わすが党内には政権離脱に反対する者もいるようだ。
消費税増税に対しては、亀井さんの持論は、今の経済環境下ではチマチマしたことはやってはいけない。ここは財政出動などで景気を良くすることが大事だという。
また、小沢さん、亀井さんともに野田政権が財務省の言いなりであることも批判している。政治主導から完全に官僚主導に姿勢を変えたことにも批判が集まる。財務省は増税のためなら何でもアリだ。
讀賣新聞(2012.3.15)が朝刊トップで「景気復調の兆し」を掲載した。株価は7か月ぶりに1万円台に回復、為替も約11か月ぶりに83円台の円安、車の販売台数も増加し国内消費も復調の兆しだという。景気も上向きで消費税増税には好機だという財務省の意向を汲んだ記事のようにも思えて来る。
そして、政治の混迷は景気の足を引っ張りかねない。赤字国債発行を可能にする特例公債法案は、自民党などの反対で成立のめどが立たず、このままでは市場に悪影響を与える恐れがあると増税反対派に警告している。
増税反対派だって、絶対にダメと言っているわけではない。内容が十分に議論されていないことへの批判と、今の経済環境下では景気を後退させる懸念があり、「景気弾力条項」をどう明記するかポイントになりそうだ。
今までの国会予算委員会審議を聞いていても野田総理は「消費税増税は景気を後退させないか」という質問に真正面から答えていない。復興需要に期待しているというばかりだ。
では、景気弾力事項に経済指標の数値を記すのかというと、反対派は「具体的は数値を記せ」というが、藤井さんや安住財務相は数値記載は法になじまないと頑なに拒否する。安住財務相にいたっては「今の経済環境下でもGOだ」と答弁したことがあり、景気弾力条項がどう扱われるかに注目だろう。
この消費税増税闘争が、主導権争いや権勢の挽回に利用されては、国民はたまったものではない。
0 件のコメント:
コメントを投稿