2012年3月29日木曜日

政治家、政治評論家、ジャーナリストが、政治不信を助長していないか


政治に対する不信を、政治家、政治評論家、ジャーナリストの言動、解説が助長しているのではないか。テレビは朝2時間の情報番組、続く昼の2時間の情報番組、夕方、夜のニュース番組で政治ニュースが流れるが、参加する政治評論家、アナリスト類の情報通、コメンテーター、キャスターが政局の解説をやっている。

彼らは、現在の政治情勢を彼らなりの情報収集で言及し、今後どうなるかを解説してみせるが、政治家自身の言動もさることながら、これらの情報通の解説が政治不信の要因にもなっていないか。

政治の世界でよく言われるのが「一寸先は闇」だ。これが総理を選ぶ政治手法で出てくるのだから唖然とする。記憶が定かではないが、自民党政権時、本命候補を差し置いて一夜のうちに大平さんが総理にのし上がったことがあるが、背後で故田中角栄さんが動いたと言われている。その時の田中角栄さんの心情を政治評論家などが代弁していた。

最近では、民主党代表選で泡沫候補と思われていた野田さんが、相田さんの詩、ドジョウがどうしたこうしたと言っただけで2位に入り決選投票で代表になり、総理の座を勝ち取った。

その程度のことで選ばれた野田総理だから政治基盤は脆弱で、消費税増税のような重大政策に取り組んで四苦八苦するのも当たり前、国内議論を後回しにし、外交の場で国際公約を取り付ける姑息な手段にはあきれ返るばかりだ。

今回の消費税増税に関する民主党の事前審査の大紛糾も、国民はしっかり議論やっているのだろうと思う向きもあるが、政治評論家などのある情報通は、「法案成立は既成事実、反対派の要求は織り込み済みで、反対派へのガス抜きにすぎない」という。

何だ、野田総理は丁寧な説明などと言っていたが、ただの出来レースなのかということになる。

さらに、事前審査での反対派の主張も、「増税では選挙は戦えない」という考えが先行したために、反対も歪曲化され、ただの条件闘争になってしまった。事情通は政治基盤の脆弱な1年債議員は皆、選挙を怖がって回避したいがために小沢さんに群がっているという。真実はそうかもしれないが、いつまで小沢さん頼みなのかと情けなくなる。

いま、反対意見を出しておけば国会での採決で反対にまわれる。ゴタゴタしているが、最後はまとまるという話も多い。ゴタゴタは問題点を明らかにできるメリットもあるが、演出では大迷惑だ。

比較的よくつかれる言葉に「〇〇さんの本音は・・・・だ」というフレーズだ。せいじかはなかなか本音を言わない。むしろ他人に言わせようとする。そうで無かったとしても何の責任もない。

政権トップの側近、政治家がアドバルーンを上げて国民の反応を見たり、政界の動きを潰す目的でメデイアにリークし、テレビ画面や新聞紙上をにぎわすこともある。野田総理―谷垣総裁の極秘会談は、当人が強く否定すればするほど疑いが強くなる。岡田さんの大連立の打診も半月遅れのリークだったが、その真相はやぶの中だ。事情通は「会ったことに間違いないだろう」という。

また、今回最高裁で判決もあったが、官邸機密費の存在も政治不信につながる。政局になると法的根拠は全くない国対委員長の活躍の場になる。自民党政権時、野党にカネを配って政策に同意するよう働きかけ、スムーズな国会運営を担うのだ。確か金丸さんが言ったと思うが「政治の潤滑油」なのだ。今まで反対していた政党が急に賛成に回った時は、これを疑うべきだ。

そんな政治家、政権だから官僚に利用されるのだ。今回の消費税増税関連法案も財務省が書いたものだ。それを法案の本則も十分に十分に検討せず、付則ばかりで条件闘争をやっている。

野田総理が前原さんに示した最終修正案は、「成長率の数字と、引き上げ停止の関係を弱める表現にしてくれ」と自身が財務省に指示した案らしい(読売新聞 2012.3.29)。
何が政治主導だと言いたいところだが、国会審議でまた大揉めしそうである。

政治家自身が、もっとしっかりし、政治評論家やアナリスト、ジャーナリストに舐められない「大人の政治」を目指さなければならない。既成政党の政治家が姿勢を正さなければ、「維新の会」など第3極に追われる運命にある。

0 件のコメント: