「日銀には何を期待し、何をすればいいのか」、23日の参議院予算委員会で民主党・川上義博議員と日銀・白川総裁が日銀の金融政策の是非をめぐって論争を繰り広げた。これで2度目の国会での論争になる。翌日24日の新聞では何ら報道されていなかったので、記事にする。
川上議員の「日銀は何をすればいいのか」の質問に、古川大臣は「インフレ目途1%が見通せるまで、とりあえず決めたことを果敢に実施することだ」と総理に代わって答弁、
白川総裁は「デフレを脱却し、経済成長することが大事で、2月には金融政策、3月には成長力強化の支援をした。政府と日銀は問題を共有している」という。
川上議員は、1ドル100円、株価15,000円の円安、株高にするには、更なる金融緩和が必要ではないか。今までの日銀の金融緩和に効果があったと思うかと日銀総裁に質した。
白川総裁は、いつもこの席でいっているように、マネー供給量は対GDP比で先進国に比べ、最高水準を保っていると従来の見解を繰り返した。
また、政策は最終的には効果があると信じてやっている。今まで5回の金融緩和を見ると、局面はそれぞれ変わっているが、円安、株高に効果はあった。投資家はリスクを取っていくことに転じたと答えた。
2月の金融緩和とインフレ目途を1%に置く政策で、投資家はリスク・オフからリスク・オンの転じ、景気回復への期待をにじませた。
更なる円安、株高に持って行くための金融緩和を国会は要求するが、日銀は頑なに拒んでいる。
各国中央銀行のバランス・シート 2008年9月を100として各国 は急激な金融緩和をしたが日銀 は緩慢な緩和で更なる金融緩和 が必要ではないかと民間エコノミ ストは主張する 週刊エコノミスト2012.2.28 |
各国の中央銀行のバランスシートを、2008年9月を100として見た場合、各国は急激に金融緩和しているが、日銀は緩慢な緩和に終始している。これを根拠に民間エコノミストの間では金融緩和が足りないと主張している(週刊エコノミスト 2012.2.28)。
一方の日銀は、日米欧のマネー供給量を対GDP比でみると先進国で酒匂氏準を保っており、不足しているという主張を誤解だと反論する(2012.2.17 日銀白川総裁記者クラブ講演集より)。
それでも川上議員は納得せず、日銀法改正、職員給料など待遇問題、リストラなどで質問したいが時間がないとあきらめる。
日銀には物価安定で政策に独立性が保障されているが、法改正で国会の言うことを聞かせようとのゆさぶりがある。日銀総裁は、それを見越して常に政府とは問題を共有化しているというのだ。
このマネタリー・ベースでの供給量の問題を国会でエコノミストなどを招集して徹底的に議論できないのか。比率での水準ではなく、絶対量の問題だと思うのだが・・。
日米欧のマネー供給量 対GDP比で見ると先進国でも最高水準であり、 不足との見方に日銀は誤解だと反論する 2012.2.17白川総裁記者クラブ講演集より |
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