消費税増税は景気にプラスかマイナスかの論争の要点は、消費者=国民が政府をどの程度信頼しているかだ。マイナスが通説であるが、プラスを主張している経済学者、評論家は消費税増税分を社会保障制度の改革に充てるのであれば、消費者は将来の負担減を見越して消費は上向くと言うのだ。
そのためには、この消費税増税が野田政権の言う社会保障制度改革、そして財政再建にどう貢献するのか。「増税は景気にマイナス」の先入観を払拭させる説明、「プライマリー・バランスを考えたらまだ不足」で次から次への利率引き上げの必要性をどう説明するか、野田政権の課題は多い。
そかし、今までの国会予算員会を聞いていると、「消費税増税は景気にマイナスではないか」とか、橋本内閣時代での増税が税収に結びついていないことを理由に、今の経済情勢下での増税反対に野田総理は正面から答えず、復興需要で景気は好転するというばかりだ。
先に開催された民主党の事前審査の合同会議でも反対派は「もっと先にやるべきことがあるだろう」とか、附則、景気弾力条項を攻撃材料にし、法案の閣議決定、国会提出を遅らせる動きをしている。
一方、民主党幹部は早く集約したいためか、ある程度の修正には応じるという。
このように政権与党の民主党内でも反対意見が多く、国民新党も閣議決定なら政権を離脱するという。亀井さんに言わせれば、「このままだと地獄を見る」とまで言う。経済を成長路線に持って行って税収を上げるために、ここは財政出動が必要な時期だともいう。
確かに今のデフレ下での増税は、駆け込み需要と消費の反動減の影響があるだろうとは推定されるが、「増税の景気への悪影響も財政再建に効果がある」のであれば悪影響も我慢の範囲だと思うのだが、増税路線を邁進する今の野田政権に信頼を置くことができるのか。
景気へのプラス、マイナスは消費者マインドに大きく影響される。
要は、今の野田政権を信頼できるかどうかだ。
信頼できなければ、景気への消費者マインドもマイナスで、「増税は景気にマイナス」が正論になる。
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