自民党憲法改正草案 読売新聞2012.2.28 |
憲法記念日が近づくと憲法改正が話題になるが、今年は早、自民党憲法草案が取りざたされている。一体何が問題で、日本をどうしようとしているのか。確かに憲法第78条の裁判官の身分保障など必要ないと思うが、国際貢献、自衛隊の在り方など国会でも質疑が絶えないが、いつも不明朗な解釈の課題はある。
自民党の草案を見ると、前文はかなり簡略化され、天皇は象徴から元首に、自衛権の発動を謳っているが、集団的自衛権については明言を避け、外部からの武力攻撃やテロによる社会秩序の混乱その他の緊急事態において緊急事態宣言を発することができるとしている。また、憲法改正は現行の2/3ではなく、過半数で発議できると緩和されている。
自民党案らしく保守色を鮮明にし、支持基盤を固め民主党との差別化をはかり、近いうちに実施される総選挙での支持拡大を狙っているのだろう。
我が国の憲法改正は非常に難しい硬性憲法と言われている。
ハードルが高い。発議は両院それぞれで議員の2/3の賛成で国民投票になり、有効投票の1/2の賛成が必要になる。第1党が多数の議決を持っていればよいが、多党の連立政権のような状態では発議は不可能だ。
そこで自民党案では2/3を過半数に緩和しようとしているが、憲法96条の改正規定を同じ憲法96条の改正規定によることなど不可能と言われている。
国民投票は特別に実施するか、選挙の時に当時に実施するかであるが、過半数は有効投票数の過半数とみられているが、投票率50%で過半数というと有権者の25%になるが、こんな低い賛成で憲法を改正していいのか。
また、条文ごとに賛否が異なるときに、どう投票するのか。条文ごとに□にチェックを入れるOCRカードを使用するのか。
改正には限界もある。前文案では大幅に割愛されているが、根本規範までないがしろにはできない。
さっそく、共産党、社民党は反対、公明党は注文がついている。自民党内での異論がありまとまりそうにない。
兎に角、今やることは現行憲法の何が問題なのか。解釈事例を積み重ねて対応できないのか。一方で、新しい精神も組み込んで日本のあるべき姿を明確にしていく必要もある。
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