24日、都内で行われた講演会で 消費税に政治生命、命を掛けると宣 言した野田総理 2012.2.25TBSテレビ サンデー・モーニング |
今国会での無理押しをせず、解散・総選挙で政局混乱のごみをクリアーして、法案提出ではダメなのか。野田総理は増税法案の年度内提出に政治生命、命を懸けると退路を断った発言を繰り返しているが、民主党内は反対論も根強く、前原さんの目論む「拍手で了承」も覚束ない情勢だ。
小沢さんの言を借るまでもなく、「何故、今急ぐのか」という疑問もわいてくる。
何故、今、野田総理は法案提出を急ぐのか。自民党だって10%増税を公約しているのだから、法案が大事なのであれば、ここは解散・総選挙をして国民に信を問うた後、新しい国会で法案提出し成立を目指していけばいいのではないか。
今の情勢で、法案提出を強行すれば、政治は混乱し、法案否決でもなれば、政治機能不全を見なされ、市場は動くのではないか。国内外に政治不信をばらまくようなものだ。
解散し、国民に信を問うことこそ民主主義政治の基本ではないか。「増税は選挙に弱い」とか、「選挙になれば政権から脱落する」とか、「維新の会など第3極の進出を恐れる」などでは、余りにも動機が不純すぎないか。
そもそも、今国会の消費税増税の根拠は何かというと、自民党政権時の税制改正法の附則104条にあるという。
他に、根拠というと、国際公約にもなっているマネタリー・バランスの改善のための財政再建であり、社会制度改革のための安定財源の確保、上手くいけば将来の生活の安心感から消費は伸び、物価は上がり、デフレ脱却、経済成長に導くことができることへの期待であるが、財務省や藤井税調会長のように「あなたしかいない」と煽てられているのかもしれない。
また、民主党政権での財政再建への道を付ける自負もあるだろうが、民主党政権の前提は、数々のマニフェストの見直しで地に落ちている。生き残りをかけた「話し合い解散」「再編」「連立」も死に体政権ではうまくいくはずがない。
「国民が第一」というのであれば、政権の存続より、国民に信を問うて、そのあと法案成立を目指すことが常道ではないのか。
早くやった方がいいという理由には、国債をにらんだ市場の動きを警戒する考えもあるのではないか。
新聞報道によると、最近の日本国債の海外投資家の保有率が8.5%に上がっているという。昨年12月末での発行国債残高は920兆円、個人金融資産は1483兆円で、まだ国内で買い支えることはできても、そんなに余裕があるはずがない。チョッとした政治状況で海外投資家が動けば、国債にも影響する。
また、対GDP当たりの政府債務が200%と最悪の水準であるというが、一方で資産も120%ぐらいはあるので、80%の対GDP比で考えると、そんなに悪くはないという考えもある。
今、メデイアは、野田政権や財務省の言いなりの早期の増税法案成立を煽るが、反対論は姿を消している。これで国民は正常な判断ができるとは思えない。
野田総理が、退路を断ってまで法案成立を目指すのであれば、政治的混乱を最小限にし、メンツを捨て、解散・総選挙でクリアーすべきだ。
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