2012年6月6日水曜日

消費税増税国会:政党間の信頼関係喪失、疑心暗鬼で混迷する国会


政党間、おまけに議員同士の信頼関係の薄弱、疑心暗鬼で混迷する国会を目の当たりにしている。消費税増税関連法案の成案に向け、野田総理はなりふり構わず修正協議に入るよう野党に要請するが、野党の動きは鈍い。民主党、自民党ともに党内に賛成派、反対派、慎重派が混在し、採決どころか修正協議にも入れるかどうかわからない状況だ。

その背景には、互いに信頼関係を失っていることにある。おまけに疑心暗鬼の駆け引きは相手の様子見で時間ばかり無駄に過ぎる。

こんな時に必要なのが、いわゆるパイプ役で、党役員人事でも野党等とのパイプ役であることが協調されているが、今回は一向に役立たない。

誰に話をすれば通じるのか。以前自民党政権の時、福田総理が小沢・民主党代表と党首討論をやった時、福田さんが小沢さんに「誰と話をすれば通じるのか。大変苦労しているんですよ」とぼやいたことがあるが、民主党にはそういう人材はいないのだ。

そうだろう。民主党は「開かれた政治」「わかりやすい政治」を標榜して政権交代したのだ。裏交渉など問題外なのだ。

しかし、実態はわかりにくい政治をやっている。それぞれの政権で黒幕が暗躍し、総理の求心力を低下させる原因にもなっている。

それにしても今各党は何をすべきなのか。

野田総理が修正協議に入り、今国会中に採決せよと民主党執行部に指示したが、輿石幹事長は党内融和を優先し、先延ばし採決せずの考えらしい。

一方の自民党は早期解散、今国会中の採決を望んでいるようだが、修正協議入り前に採決への日程の確約を望んでいる。先延ばしをけん制しているのだ。

これに対して輿石幹事長は、「言えるわけがない」と拒否の姿勢だ。今日の2回目の幹事長会談でどうなるか。

野田総理も「合意なくして採決なし」と言明している。そりゃあそうだろう。採決では自民党が賛成すると思っているからだ。でも自民党内にも慎重派、反対派がいる。すべてが賛成ではないのだ。

小沢切りして、自民党に寄り添ったとしても算術が合う保証はない。

また、修正協議入りとなると民主党の政策がどの程度確保できるのか。合意できる点もあるが、譲歩できない点もあるだろう。自民党案丸飲みともなると、民主党政権の根底が崩されることになり、政権交代した意味がなくなる。

早々と連立政権の予行演習でもしているのか。

そのためには、信頼関係を構築しなおさなければならない。そして総理、総裁の政治基盤の強化が必須だ。


[後記]
6日、事態が動いた。野田総理が早期に修正協議入りを民主党執行部に指示し、輿石幹事長が「15日までに合意し、21日までに採決する」と表明、谷垣総裁が修正協議に入ることを指示した。


しかし、自民党案丸呑みでは民主党内がもたないと言う意見がもっぱらだ。

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