2012年6月5日火曜日

クルーグマン教授は、危機脱出には緊縮策から成長政策への転換が必要と説く


週刊現代 2012.6.16

この世界的経済危機を脱するには、緊縮政策でなく、財政、金融政策へ大胆且つ積極的な転換が必要であるが、世界のリーダーは間違いを犯し続けて緊縮性政策に走っており、再び過ちを犯し続ければゲーム・オーバーになるとクルーグマン教授は警告している。

クル-グマン教授というと従来から財政出動→雇用確保→経済成長を提唱している。今週の週刊現代(2012.6.16)でも独占インタビューで「ポール・クルーグマン「預金流出、そして恐慌が始まる」が掲載され、ユーロ危機はどうなるか、この危機を解決する方法を説いている。

その中で、日本の財政・金融政策について日銀はインフレターゲットを3~4%に設定すべきなのに1%とし、やり方を変えようとしない。もう日銀には期待しないという。

そして今日本では財政再建、社会保障と税の一体改革で消費税増税を推し進めようとしているが、この時期の増税はタイミングが悪い。今上げたら経済は悪化すると警告している。国会審議でも、みんなの党の江田さんがしっこく追及しているが、野田総理は頑として聞かない。

一方、ギリシャ、ユーロ危機はどうなるのか。

クルーグマン教授は、デフォルトせずにギリシャが再建する方法は見当たらないと90%はギリシャは離脱するだろうと見ている。

今、静かな取り付け騒ぎが起きているが、ギリシャがユーロ離脱するとスペイン、イタリアでも取り付け騒ぎが起き、巨大銀行の倒産、ユーロ全体で危機が発生すると見ている。

ECB(欧州中央銀行)が乗り出せば、一時的には危機は収まるだろうが、ECBが動かなかったら預金閉鎖、スペイン、イタリア、ポルトガルのユーロ離脱→経済大混乱→ユーロ崩壊へと行くらしい。

今ドイツを始めユーロは緊縮策をギリシャに押し付け、域内でも緊縮政策を謳っているが、クルーグマン教授は緊縮からの政策転換が必要だと説いているのだ。

17日はギリシャで出直し選挙が実施され、その結果によってはユーロ崩壊の危機が始まるのだ。今の情勢では緊縮派、反緊縮派が拮抗しているらしいが、世界は緊縮派の勝利を期待している。

何故、クルーグマン教授の説を世界のリーダーが取り入れないのか。今、必要なのは雇用の確保・創出、成長路線であることはわかるのだが。

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