社会保障と税の一体改革関連法案の3党合意は本当に大丈夫なのか。「後は党内手続きをやってくれることを確信している」と言い残しG20へ満足顔で飛び立った野田総理、一方で「21日に採決」という自民党、「丁寧な議論」と党内分裂回避のため、採決先送り、会期延長を画策する民主党執行部、そこへ「21日採決は3党合意の前提」発言も自民党から出てきた。
テレビ画面で、3党合意の合意書(?)に署名する関係者の表情を見るにつけ、十分に議論されたのか、玉虫色で合意を急いだのか、その内容をうかがい知ることは難しい。
そもそもこの3党合意が大きく動いたのは14日、野田総理が谷垣総裁に「何とかしていただけないか、こちらも大変なんです」という懇願の電話から始まったことが新聞の報道から知ることができる。
野田総理がG20出発前に合意を急いだのは、国際会議での我が国の財政再建、社会保障と税の一体改革が進んでいることを強調したい総理の意向が強く働いたのは確かだ。
だから曖昧な合意、不十分な詰めが残り、それが重要な節目で顕在化することは確かだろう。自分のご都合で、自分が言い出した「丁寧な議論、熟議」を蔑にするなんてもってのほかだ。
合意に対して色んな意見が出ていることも気になる。
「マニフェストの撤回ではない」(長妻)、「マニフェスト政策の法案は出していないので棚上げではない」(藤村官房長官)、「政策談合だ」(小沢)、「画期的な合意」(町村)など。どの意見もあっているようだし、間違ってもいるようだ。
今になって、会期延長、21日に採決できなければ内閣不信任決議案提出のニュースが流れるのも不思議な話だ。自民党の要求する早期採決、解散の約束も取れていないのだろう。谷垣総裁が「野田総理の気持ちは分かっている」と合意に舵切りした背景も勝手な思い込みではなかったのか。
民主党の党内手続きを進める事情も複雑だ。
小沢元代表グループも反対に一枚岩ではないし、反対を表明していた鳩山元総理も党内分裂を回避するために採決委先送りにトーンダウンしているようだ。
政治につきものの駆け引き、ゆさぶり、けん制もいいが、社会保障と税の一体改革は国民の生活に直接影響し、負担を強いる政策なのだ。国民に分かりやすい政治プロセスであってほしい。
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