読売新聞 2012.6.20 |
野田総理は国際公約だった消費税増税をG20の行動計画に明記したかったために、本来ならもっとしっかりやるべきだった国内議論を省略し修正合意を急いだのだ。民主党内であれだけ慎重な態度を見せていた中間派と言われる議員が軒並み賛成に回った。特に何も変化はなかったのに何故ここ数日で変わったのだ。
議論することは大切だが、3党合意もできたことが考え方を変えた主要な要因だろう。丁寧な説明、熟議を訴えていたのは野田総理ではなかったか。
それとも選挙も近づき、その資金に官邸機密費でも使ったのか。中間派が選挙で優遇される話でもあったのか。
野党の自民党だって反対、慎重派の意見はどうなったのか。
前原政調会長への「一任」も不思議なものだ。「代表戦で財政再建を訴えて代表になり「政治生命をかける」と言ったのだから法案成立は責務だ」(読売新聞2012.6.20)と言ったというが、何やら八ッ場ダム建設中止の時に「マニフェストに書いてある」と言ったことと相通じるのではないか。
20日には、3党合意に基づく修正法案が国会に提出されるという。景気対策軽減税率、所得税、相続税の見直し、歳入庁の検討、生活保護制度の見直し、年金制度の議論などが含まれているようだ。
景気対策、雇用の確保は最重要課題だ。G20行動計画でも環境分野で質の高い雇用の増加をめざすというが、環境分野がそんな大きな課題を背負わす分野なのか。
そして財政出動に頼らない経済成長の実現というが、そんなうまい方法があるのか。
消費税増税一本やりではないことを示す国民への目くらましではないのか。
国民に負担を強要する法案でありながら、何というわかりにくい政治プロセスではないか。
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