2012年6月14日木曜日

クルーグマン教授! 金融緩和で雇用確保ができるんですか


クルーグマン・コラム「金融緩和で
労働者を救え」
朝日新聞 2012.6.14

クルーグマン教授は「金融緩和で労働者を救え」というが、金融緩和では雇用の確保に効果があるのか。政府の景気対策としての財政政策、中央銀行のやる利下げの金融政策、量的緩和があるが政府の財政政策は手詰まり状態で中央銀行の金融政策に期待が寄せられるが、金利はゼロ金利で下げる余地は狭く、量的緩和(金融緩和)も実施と様子見の繰り返しで、その都度市場も好感したり、がっかりしたりの繰り返しだ。

クルーグマン教授のコラム「銀行救済 金融緩和で労働者も救え」(朝日新聞2012.6.14)が目についた。雇用確保は政府の最重要課題ではあるが、各国ともに失業率は高い。

自国経済に危機がやってくると、政府はまず銀行救済を要請する。最近のスペインもそうだ。クルーグマン教授は、銀行ばかり救済され、失業者はほったらかしだと批判している。スペインで労働者の1/4近くを失業に追いやった政策を変更しようとも思っていないというのだ。

金融政策ではまず金利下げだというが、欧州中央銀行(ECB)は6月6日、政策金利を据え置いた。ユーロ崩壊の危機が高まっているのに、経済回復のために、緊縮財政、賃金カットばかり要求されてきたが、それには人々が心から、その必要性を信じてくれれば効果があるという高官たちの話を紹介している。

ギリシャは、国民自身に当事者意識が低いという。

しかし、クルーグマン教授は、この戦略は力強い成長と穏やかなインフレが必要で、今は金利を低く抑え、たくさんの紙幣を発行すべき時だともいう。

米国もこれから数年間は低インフレと高い失業率が予想されるが、今まさにFRBは景気刺激策をとるべきだが、FRBは動こうとしないと不満を表明する。

クルーグマン教授の自説は、財政再建で緊縮政策を実行するのではなく、ここは財政出動で経済成長路線に切り替え、雇用の確保を優先すべきだというものだったと思う。だから、今の主要国の緊縮政策、財政再建には賛成できないのだ。

世界的に人的、経済的な参事が進んでいるにも関わらず、欧米がマヒ状態なのは、政治に問題があるという。

今、明確になってきているのは、17日のギリシャの再選挙で反緊縮派が伸びギリシャのデフォルトが確実視されればユーロ離脱、スペインも加わってユーロ崩壊につながり、クルーグマン教授が警告する世界恐慌へと進む壊滅的出来事になる。

そうなれば、銀行救済にとどまらず、何らかの政治的措置が現実的にとられるようになるだろうとクルーグマン教授は指摘している。でも世界恐慌はご免だ。その前に政治的な措置を講じてほしい。

クルーグマン教授のいう財政、金融政策を実行する世界のリーダーはいないのか。フランス大統領が緊縮派から反緊縮、成長路線を訴えて交代した。ギリシャ、イタリアでも反緊縮ののろしが上がっている。

アメリカでも、そのような動きがあるというし、わが国でも財政再建一本やりではなく成長路線を加味した政策に舵切りをしたように見えた野田総理だが、社会保障と税の一体改革では重要政策を棚上げし、増税だけが先行する様相を呈してきた。

日銀も政府や市場の要求により、量的緩和を実施したり様子見を繰り返しているが、金融政策に過度に頼らず成長経済への政策を政府に要求し続けている。インフレターゲットも1%とし、クルーグマン教授が指摘する3~4%には程遠く、やる気なしとみなされている。

民主党政権の経済成長戦略も菅政権時策定されたが、その効果は期待に反するものだった。野田総理は国会審議で、そういった検証も含めて見直しをやって、新たな挑戦を考えているというが手詰まり感は避けられない。

雇用確保は最優先課題である。銀行救済より優先すべきかもしれない。雇用の創出・確保なくして経済成長、財政再建はない野田。

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