一体改革、消費税増税で民主党内は党内手続きで分裂の危機にある。何故、法案提出前に国民の信を問わなかったのか。ここまで政治を混乱させた民主党政権の過ちの原因はここにあるのではないか。
2009年の衆院選で自民党は消費税10%を公約したが、民主党は「4年間は増税しない」ということで政権の座を勝ち取った。
だから唐突な消費税増税は、自民党からは「マニフェスト違反」、党内小沢元代表グループからは「その前にやることがある」「マニフェスト遵守」「政権交代の原点に返れ」と野田政権を揺さぶる。
コロコロ総理が変わることもまずいことではあるが、マニフェストには掲げなかった喫緊の課題について「国民に信を問う」のと、国民に信を問わないのでは大きな違いがある。
特に菅政権、野田政権は国民の信任を得て総理の座に就いたのではないから、このことは大事だ。
「マ二フェスト違反」だとか、「国民に信を問え」の高まる野党の批判に、菅政権で「消費税増税実施の前に国民の信を問う」という可笑しげな方針が出されて今まで続いている。だから早期解散・総選挙を望む自民党は3党修正合意をいそいだ。
また、「4年間は増税しない」という意義づけに、8%になる2014年は4年の任期後だと強弁するようにもなった。
「増税実施前に国民に信を問う」ということは、法案は成案になっているのだから総選挙で民主党が大敗したところで増税は確保されていることになる。
どうしてこんな発想ができるのか。
まず増税を確実なものにしたい財務省の入れ知恵が考えられるが、選挙にでもなれば民主党は惨敗が予想され、折角手に入れた政権の座を手放したくないという民主党のエゴも考えられる。
自民党政権の時もそうだったが、野党の主張の方が真っ当さを感じるのはどうしてなのか。
政権の座は、利権も多くうまみもあるだろう。ツイツイ出てくる慾にくらんで判断を誤るのではないか。その時適切なアドバイスのできる人材不足も民主党の弱いところだ。
今、増税反対の小沢元代表側と官邸・執行部側とで54の攻防、綱引きをやっている最中でどうなるかわからないが、自民党谷垣総裁は9月の会期内までに解散・総選挙に持って行くという。
野田政権は、政局の節目での判断を間違ってはいけない。
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