東京都の震度分布図 首都直下地震等による東京の被害想定 |
東京都が6月の広報で、首都直下地震などによる被害想定の見直し結果を公表した。東京湾北部地震(M7.3)、多摩直下地震(M7.3)の従来の直下地震に元禄型関東地震(M8.2)、立川断層帯地震(M7.4)を加えた4つのモデルで被害を想定している。
私も東京都大田区に住んでいるので、見直された震度分布に注目した。特に3月31日朝日新聞で公表された文部科学省の震度分布では震度7の揺れが大田区でも可能性が出てきたし、震度6強の範囲も広くなったからだ。
ところが東京都の東京湾北部地震の震度分布によると震度7は羽田空港付近だが、文部科学省のPTによると大田区から多摩川を挟んで川崎に向けた範囲にも震度7の揺れが想定されている。文部科学省の被害想定が厳しいのだ。
上の図の大田区の部分を拡大 震度7は羽田空港付近 |
東京湾の埋め立てで開発された地域は地盤から考え想定できることであるが、武蔵野台地低湿地帯ではどうかなとも思っていたから、東京都の方が納得がいくのだが。
文部科学省も東京都も東日本大震災を踏まえているし、フィッリッピン海プレート面が従来の想定より浅いことも考慮されている。
その結果、「首都直下地震等による東京の被害想定」によると、最大震度7の地域が出ること、震度6強の範囲が広くなり、津波は満潮時2.61m(品川区)、東京都北部地震での死者数は9700人とみた。
震度分布の違いは、文部科学省のPTでは、約300個の地震計を設置し地震波で首都圏の地下構造を詳しく調べ、中央防災会議の想定より10㎞浅いことを突き止めた。震源が浅いと地表の揺れも強くなる。当たり前のことだ。文部科学省の方が厳しい結果が出たのではないか。
東京都は国の被害想定の検討に先駆けて実施したが、今後国の被害想定の検討結果を踏まえながら必要に応じて再検証するとしている。条件の設定次第では結果が大きく違ってくると注意書きされている。どうも被害想定を中央防災会議の考え方によってやったのではないか。
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