2012年6月13日水曜日

社会保障・税一体改革法案採決:各議員の自由意志での投票ではダメなのか


社会保障と税の一体改革法案の採決は、各議員の自由意思で投票できないのか。今、国会は15日の合意をめざし、民主、自民、公明の3党で修正協議が進んでいるが民主党が掲げた最低年金制度、後期高齢者医療制度の廃止は棚上げされ、兎に角増税が先行する調整になっているようだ。

更に困難を極めるのが合意に基づいて各党が党内手続きしなければならないようだが、これに手こずっている。反対派、慎重派が微妙な動きだし政権与党ばかりでなく自民党も同じなのだ。

先日の国会・特別委員会での審議で、「党内がまとまらなかったらどうするんだ」と聞かれた野田総理が「党議拘束しているので、最後は賛成してもらえる」と従来の希望的観測を繰り返した。

でも、何故民主党は党議拘束しなければならないのか。

過去にも自民党政権時代に、党議拘束に反して反対したために除名、離党した事例として、公務員制度改革での渡辺さん、郵政民営化法案の時に多数の除名、離党者を出した。

そして、その結果が今の公務員制度改革であり、郵政民営化改革だ。うまくいっているものではない。そのゴタゴタが今も続いているのだ。

今回の社会保障と税の一体改革だって、このままでは二の舞になりそうだ。そもそも民主党は2009年のマニフェストに「増税はやらない」と言っていたのを急遽、政策課題に挙げてきた。自民党はその時増税を謳っていた。

これが、国民が民主党を選択した一つの理由になっているのは確かだが、野田総理は「やると言ったことはやっているし、何も言っていないこともやっている」と抗弁する。無理な論調だ。

マニフェストで「やらない」と言ったことをやっているので、党内をまとめるにも党議拘束が必要になり、造反者には除名などの処分でけん制しているのだろう。

こんな状態では、私たちが国政を負託した国会議員が自分の自由意思で票決に加わることを阻害している。憲法での表現の自由を侵すものではないか。
無理な採決ではなく、国会議員一人一人の自由意思で票決すべきではないのか。そして、万一否決されれば総理は解散権を行使して、国民に信を問えばいい。

これが憲法で保障された政治プロセスだ。

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