自民党・谷垣総裁と野田総理の動きにチグハグさが目立つことが多かった。党首間のコミュニケーションの欠如で、谷垣総裁の思いが野田総理に通じなかった結果が、谷垣さんの総裁選から離脱で政権復帰を目前にしての敗北となった。特に「近いうち」の解散では、会期内解散に拘ったが、野田総理は反応を示さなかった。私も「谷垣さんが騙されていることに早く気付け」という意味の記事を書いたことがある。
最後は、無理筋な野党7会派の首相問責決議に賛成することで一気に求心力を失ったことになる。7会派の一人が、自民党に賛同させた意義は大きいとコメントしていたが、7会派の自分たちの決議案を優先すべきだというごり押しに谷垣さんが負けたことになった。
谷垣さんは人気がない。自民党への人気回復につながっていない。長老連中の覚えが良くないなどメデイアの報道には芳しいものがなかったが、谷垣さんの内心をよく理解できていなかったのだ。
朝日新聞(2012.9.12)の谷垣総裁との単独インタビュー記事「解散追い込めると思った」で、谷垣総裁の本音をうかがい知ることができる。
谷垣総裁は、3党合意など何故か野田総理に譲歩する行為が目立ったように思えたが、党首間のコミュニケーションを築くことが大切だと思ったようだ。数次にわたる野田総理との会談でも、最後は人払いして2人だけの会談になった。何が話されたかはわからないので憶測を呼ぶことになったが、何もなかったのだ。
党首討論では15分も質問時間を残して打ち切ったことが批判されていたが、野田総理の答弁が後が続かない内容だったために討論できなかったのではないか。野田総理も自分の答弁が言質をとられないように注意する余り討論が続かなかったことに早く気付くべきで、決して勝ったことではないのだ。
野田総理は代表選共同記者会見で、3党合意で社会保障と税の一体改革が成案したことを「決める政治ができた」と胸を張って見せたが、谷垣総裁におうところが大きかった。
「近いうちの解散」も谷垣総裁は7日に言及するのが一番良いと思い、野田総理も同じ思いだろうと考えたというが、谷垣さんの思うようにはいかなかった。野田総理は「それ以上でも、それ以下でもない」と訳の分からない従来の考えを繰り返すばかりだ。
谷垣総裁の思いが野田総理には伝わらなかったのだ。確かに、今野田総理に解散を言う力はないはずだ。
谷垣総裁は総裁選不出馬を宣言し総理の芽はなくなったが、「政治を前に進めようとした」政治家であることを国民は再認識すべきだ。
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