野田総理の優先すべき選択は「政治の安定」か「党内融和」か。民主党代表選に再選された野田総理に重くのしかかってきた課題だ。消費税増税で多くの同志が離党し、今も造反者を抱え、過半数割れの危機を回避するには党内融和が必要であるが、政治の安定を考えると国会運営で民・自・公の3党協調が欠かせない。
野田総理は政策が揉めると「丁寧な説明」の必要性を強調していたが、代表選では他候補から政策決定の不明朗さ、党内運営の不手際が執拗に指摘され、代表選に圧勝したとはいえ他候補も善戦し問題の根深さを露呈した。
一方、参議院で問責決議を受けた対応は明確にしていないが、国会運営を考えると3党協調がなければ政治の安定は不可能の状態だ。野田総理は自民党総裁選後に3党合意の確認を含めて党首会談を希望し、自民党候補者も応じる構えだ。
しかし自民党候補者は谷垣路線を継承し、「近いうち解散」を要求するという。
ところが、野田総理は党内人事で輿石幹事長に続投を要請したという報道に、誰でも解散は遠のくと見た。当然のことながら自民党、公明党は3党合意の背後には「近いうち解散」があると批判した。
野田総理は「近いうち解散」、「そう遠くないうちの解散」と言うが、その真意は負け戦を出来るだけ避けたいということだろうし、生き残りをかける民主党議員は皆そう思っているだろう。
野田総理にとっては二者択一なのだ。
政治を前に進めるには、民主党融和、再生を犠牲にしてでも国民のための選択をすべきなのだ。今までも離党者を容認し、党内より3党合意を優先してきた。
国民にとって「民主党再生・党内融和は国益にあらず」だ。重要な政策課題をなし崩し的に進める政治は禍根を残す結果になりかねない。
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