野田総理は国益を守り、決断力のある政治家なのか。朝日新聞(2012.9.20)経済気象台「国民の声と政策決定」では、消費税増税、原発ゼロ問題、TPPなど国論を二分する政治が続くなかで、一定方向に偏重しかねない国民の声から真に国益に沿う政治を政治家が断固たる決意で決定しなければならないと真っ当な主張をする。
そして、そういう意味から消費税増税に踏み切った野田総理の決断は正しく、後世の歴史家が高く評価するだろうと稀にみる高い評価をしている。
タイトルに言う「政策の決定」プロセスでも、国民がすべて正しい情報を持ち、国益に沿って冷静に判断できるかと疑問を呈し、だから政治家の判断が必要なのだともいう。
しかし、すべての政治家が、その資質を持っているのかと言う前に、国会議員であれば十分な情報を得て、活発に議論する場をもっているか。
先の消費税増税国会でも、委員会採決間際まで「今なぜ消費税増税なのか」、「その前にやることがあるだろう」と国会の予算委員会、特別委員会で反対質問がされていたが、野田総理は真正面から答えていなかった。
質問者は民主党内でも十分に検討されていないこと暴露したほどだ。
今、進行中の民主党代表選候補者の討論会でも、野田総理以外の候補者は一様に党内運営、政策決定プロセスへの改善を主張しているありさまだ。
原発を含むエネルギー政策での討論型世論調査では、当初原発も仕方ないと考えていた者が、討論を終えると原発ゼロに傾く傾向にあった。
その場で、どんな情報が提供されたのか。それが問題なのだが詳細は分からない。
国民が正確な判断を下せるほど、今の政府が十分な情報を公開しているとは思えないが、総理は国民に公開されない情報も知っていて、国民の民意とは別の政治判断を下しているのか。
メデイアも政策決定に大きな役割を担っていると思うのだが、今回の増税では一斉に増税賛成の論調を張った。財政再建、社会保障と税の一体改革では避けて通れないというのだ。
国民が正しく判断するためには、増税した場合のデメリットも提供すべきであるが、法案が成立後に論調した程度だ。財務省の意向が強かったとは言え片手落ちのメデイアの対応ではなかったか。
しかも軽減税率に話が移ると、新聞の適用を要求しているとは言語道断である。今の新聞は公器としての役目がかけている。
国民の声をできるだけ聞き、国民的議論を重ねるには、十分な情報を国民に提供することが前提である。
それもできず、十分な説明もしない総理を歴史家がどう評価するのか。野田総理に対する国民の審判は「近いうち」に決まる。
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