2012年10月3日水曜日

野田総理の政権運営:閣内不統一の恐れを容認した責任?


野田総理の第3次内閣改造は、論功行賞は当然としても、離党回避を狙った反野田グループを取り込んだり、政府の政策を批判する議員の「発信力」を期待して閣内不統一の恐れがありながらも容認し党内融和を優先した野田総理の責任は大きく、政権運営に不安をもたらす。

内閣改造後のメデイアの世論調査では、内閣支持率は朝日新聞が23%、不支持は56%、讀賣新聞では支持が34%、不支持は56%の結果だったようだ。代表選でメデイアの話題になったし、改造効果の表れと讀賣新聞は評するが朝日新聞は横ばいだ。

ところが早速心配していた不統一発言が出てきた。

田中真紀子文科相が「2030年代の原発ゼロ」政策に「高いハードルでなかなかそうはいかない」と発言したことに対して、前原国家戦略相は「むずかしい課題だが、乗り越えるためにやっていく」と反論した。TPPだって「もっと議論を」という消極論にたいして「FTTと同時並行」の積極論もある。官房長官は「閣内に色んな議論があってもいい。金太郎あめでは困る」と繕う。

考えてみれば原因は、もともと政権の考え方だったのが、いろんな意見が出て政府が変節したためではないか。

しかし、野田総理周辺は総理の考え方を伝えて賛同する議員を登用したのではなかったのか。面従腹背では不信を掻き立てるのではないか。案の定、田中文科相は慎重意見に変えた。

閣内不統一をさらけ出す野田総理に危険予知、危機管理の能力はないのか。もし、わかっていて強行したのであれば、そんな総理に国政を託することはできない。

反野田グループには副大臣、政務官人事で対応すると言っていたが、断わった者もいたし、未だ分裂の危機が言われている。民主党が過半数を切ったら政権は持たないという見方が大勢だ。

この3年間の民主党政権を見ていて、政権運営の力がなかったことがよくわかるのではないか。

思い出すのは自民党政権時代の福田総理と小沢代表が連立の話を進めていた時のことだ。小沢さんが連立の話を党に持ち帰って会議にかけた時、政権を手に入れる状況になってきたこともあって他の役員は猛反対して連立はダメになった。

この時、小沢さんは代表を辞任する意向を発表した。その時、小沢さんは「民主党には未だ政権を担う力はない」と言い切った。今思えば小沢さんの言うとおりだった。

国会審議での個人の資質に負う論客は多数いたが、偽メール事件にみられるように危機管理はなっていなかったし、政策決定プロセスも曖昧で政策での党内統一が不備だった。それがマニフェスト違反として今も党内にゴタゴタの要因になっている。

野田総理は、党内融和を優先する内閣改造を実行する余り、閣内不統一で政策推進が混乱することも容認した。

野田総理の責任は余りにも大きすぎる。負け戦を避けるためにも解散・総選挙を先送りしたいだろうが、「国民のため」の政治を考えるのであれば早めの解散がいいのではないか。

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