2012年10月17日水曜日

10月13日京都府南部M3.8、震度2:揺れる京都、花折断層帯か

気象庁地震情報
10月13日京都府南部M3.8、震度2

揺れる京都、注目されている花折断層が動いているのか。気象庁・地震情報を見ていたら13日11時21分頃、震源地を京都府南部とするM3.8、震度2の地震があったという。私のパソコンで保管している地震のファイルを検索していたら2011年1月3日にも震源を京都府南部、深さ20kmM3.3で震度2を観測した記事が見つかった(毎日jp 2011.1.5)。

改めて地震情報検索でここ1年間の震源を京都府南部とする地震を検索すると、10件がヒットし、震度は1~3,深さはごく浅い~10km、北緯35.0~35.3度,東経135.5~135.8度だ。京都市街から北の方だ

京都での大地震は1830年の亀岡地震で、それ以降180年間大地震は起きていない。活断層による地震は1000年に一度としても、京都には6本の危険な活断層が走っており発生確率は100数十年~200年に一度と言うことになる。京都で活断層による直下型地震が起きる可能性は相当高いと尾池京大総長は言う(週刊ポスト 西日本大地震を緊急警告 2007.4.20)。

そして、京都、大阪、奈良で大地震を起こしても不思議でない8本の活断層として、上町断層帯、有馬・高槻断層帯、花折断層帯、奈良盆地東縁断層帯、西山断層、交野断層、黄檗断層、山崎断層帯が上げられ、そのうちの6本が京都府内にかかっているのだ(同上)。

三方・花折断層帯位置関係図
地震調査研究推進本部
このうち、花折断層は宇治市に始まり、京都市内は岡崎→吉田山、吉田神社の鳥居と石段→京大グランド→北白川→修学院離宮→八瀬→大原・三千院の門前の断崖→途中→花折峠そして北端が滋賀県今津の全長約58kmの著名な断層で、丹波高原と比良山地をほぼ直線的に走る断層谷を形成している。途中で北部と南部に分かれるらしい。その北側には三方断層帯につながり若狭湾に抜けている。

適当な京都周辺の地図はなかったが、花折断層を地図に落としてみたが、ここ1年間の京都府南部地震の範囲には入っていないようだが周辺にはなる。京都西山断層かと思っていたが、この断層は遙かに西になる。

学生時代には感じなかったが、平野部に突然現れる丘(吉田山)、崖、道路などの段差(京大グランド)、急峻な山が両側に迫る谷(八瀬から大原、途中など)は昔、地震で形成された地形だ。観光地は地震、火山噴火などの過去の災害が必ず絡んでいる。

ところで花折断層はいつ動いたのか。

地震調査研究推進本部の資料によると、三方・花折断層では三方断層帯の最新活動時期は1662年の地震と言われている。花折断層帯も北部は1662年の地震だが、花折断層の中南部は2800年前から6世紀と言われている。

この1662年(寛文年)の近江・若狭地震は、北近畿地方では史上最大級の地震だったが、日向断層、花折断層北部、若狭から近江西部の活断層が起こしたものらしい。

花折断層南部は動いてないらしい。三千院や寂光院の歴史を見たが、地震で建物が被害を受けたような記述はない。

花折断層の北部は15~17世紀に活動したらしいが、南部は最近1500年での活動がないとトレンチ調査でわかったらしい。

地震の周期は内陸活断層型で1000~1500年、プレート境界型で100~300年とみられていることから、花折断層帯はいつ動いてもおかしくないのだ。一旦動くと相当な被害が予想される。

花折断層被害予測
2007年に中央防災会議が公表した資料では、花折断層M7.4で、死者1万1000人、建物崩壊38万棟と予想され、上町断層、生駒断層、京都西山断層に次ぐ被害だ。

関西では南海地震の前に複数の内陸型地震が発生すると言われている。京大の 藤森さんは、GPSの観測データから淡路島北端→明石海峡→琵琶湖を経て北陸に至る150kmの断層が年間3mmゆっくりとズレていることを明らかにした。南海地震が起きる前に京都、滋賀方面で大きな地震が起きる可能性を警告し、この断層周辺の動きを見守ることで前兆をとらえられると言う(週刊ポスト 巨大地震の巣 ここにあり 2003.6.13)。




地震予知は難しいが、ゆっくり地震の
挙動で前兆を捉える可能性もある
今、函館で開催されている日本地震学会で「地震予知」がテーマになった。「信憑性のある前兆現象を今まで一つも見つけていない」という意見もあるが、地震の時期、場所をある程度絞り込む予測は可能で、3.11の検証から「小さなゆっくりとしたズレが伝わって最後の引き金になったのではないか」と東大地震研の加藤助教は「新たな視点からの研究も必要だ」と言う(NHK ニュースウォッチ9 地震予知50年 研究の今)。 

京都など関西は、南海トラフに関わる4連動、更には5連動の巨大地震の前に内陸で巨大地震の発生の可能性があるのだ。

京都はゆっくり揺れているのだ。

花折断層帯の活動セグメント
最新活動時期の違いから区分されているA:途中谷
B:北白川 C:堂建山
地震調査研究推進本部長期評価結果より
観光客でにぎわう大原・三千院前
花折断層の線上の断崖に立っている

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