読売新聞 2014.11.8 |
九州電力・川内原発の再稼働が現実味を帯びてきた。鹿児島県知事は「諸般の事情からやむを得ない」と判断したそうだが、近い将来確実に起きる、何時起きても不思議ではないと言われる巨大カルデラ噴火など火山大噴火のことを考えると地震や津波対応で避難計画が出来ていれば良いという問題でもない。
最低限でも既設原発については規制委員会の安全審査に合格した後、設備の耐用年数一杯まで稼働させ廃炉するのが良いのではないか。電力会社には「折角多額の投資をしたのだから再稼働を」という考えは大きいだろう。
それまでは、日本全体に大きな影響を与え滅亡しかねない「巨大なカルデラ噴火」が起きないことを願ってのことだ。
原発再稼働の理由に「諸般の事情からやむを得ない」、「安定供給は経済の発展に大切」、「国民の生活を守る」と言われ、再稼働は電力料金値上げに歯止めをかける。そして電力会社は「安全性向上に取り組む」と殊勝な事を言う。
川内原発も周辺市町村の薩摩川内市長、市議会が同意し、鹿児島県議会も再稼働陳情に賛成38,反対9で採択し鹿児島県知事が再稼働へ同意した。
東北地方太平洋沖地震で取り返しの付かない事故を起こした原子炉は沸騰水型で7原発8基あるがフィルター付きベントの新設など課題が多いが、川内原発は加圧水型で形式が違うために規制委員会での審査も早かったのだろう。
でも問題もある。
周辺市町村の定義だ。今回は薩摩川内市のみだったが、福島第一原発事故では周辺8~10kmを越えて30kmのところも避難対象になった。だから他の周辺市町村の同意を取れと言っているし、避難計画も必要と言っている。
確か大間原発に対して函館市がクレームを起こしていた。そして今回の審査対象は地震、津波での原発の新規制基準に基づいた安全審査だったが、それ以上に危険視されてきたのが火山噴火による大災害だ。
日本の火山フロントと海の プレートの関係 読売新聞 2014.10.3 |
原発付近にある著名な山はほとんどが活火山で御嶽山噴火のように突発的に噴火しその火砕流ばかりでなく火山灰の降灰は広範囲で生活に支障を来す事態の大災害になるのだ。地震、津波災害どころの話ではない。それが「何時起きても不思議ではない。事前予知は不可能」と言われているから始末が悪い。
「地震と連動し必ず火山が噴火する」とは、専門家もよく言う話だし、もう常識だ。
海のプレートが陸側プレートに沈み込む境界で地震が起きる。更に海側のプレートは同時に水分を引き込み、その水分が高温、高圧になれば岩石を溶かしマグマになる。マグマが上昇して噴火するのだ(NHKスペシャル 火山大噴火)。
東北地方太平洋沖地震では、21の火山の地下で噴火の前兆があったと言う。富士山の地下でも同様で1707年の宝永の大噴火の時の状況に近かったが何らかの条件が欠けて大噴火には至らなかったという研究者の報告もあった。
富士山が噴火すれば90kmほど離れた中電・浜岡原発にも火山灰が襲いかかり外部電源機能喪失で冷却不能の事態も想定されるのだ。
巨大カルデラ火山の分布と噴火の最悪シナリオ 朝日新聞 2014.10.23 |
今回再稼働が目前に迫った川内原発も姶良巨大カルデラ噴火があれば壊滅し、火山灰による障害と共に放射能汚染が日本全国に広がる恐ろしい結果となる。神戸大の発表では今後100年間での巨大噴火の確率は1%と言う。火山灰は西日本で50cm、東日本で20cm、東北地方で10cm、1~2cm積もれば交通機関に多大な支障が出るばかりかそれに放射能汚染が拡大するのだから日本全国完全にアウトだ。玄海原発、伊方原発も例外ではない。
自然災害は回避できないが、放射能汚染による災害は原発廃止で解決出来るので人間の知恵次第だ。
又、最近十和田湖噴火が取りざたされている。周辺には六カ所再処理工場、東通原発、そして新しく大間原発ができる。火山灰の影響ばかりでなく火砕流の被害も直接受けそうなのだ。
それに北朝鮮と中国の国境に位置する白頭山の噴火も危険視されている。
915年の十和田湖噴火のあと、946,947年に白頭山が大噴火し、その降灰は日本にも達し青森県内で白頭山苫小牧火山層が十和田火山灰層の上に見つかっているのだ。
白頭山と十和田湖は同じ緯度にあり十和田湖噴火は日本で最大規模の噴火だったが、白頭山の噴火は更に大規模で過去2000年間で世界最大級の噴火だったと言われる(歴史の中の大地動乱 保立 岩波新書)。
東北大名誉教授の谷口さんは、地下にマグマがたまっている、東日本大震災で地殻が変動陸地を引っ張るような力が働いており、日本で大きな地震が発生した後、約20年以内に噴火しているという(FRIDAY 2014.11.21)。
万一この噴火では大間原発などに支障が出るが、北朝鮮では近くでミサイル基地を建設中だし、中国では100km離れたところに原発を建設中だという(同上)。世界最大規模の噴火をした火山の近くに原発があること自体危険この上ない。
こういった巨大噴火、地震、津波災害は人間の力、どんな技術をもってしても回避できないが、心配されている原発事故による放射能汚染からの回避は人間の知恵で可能なのだ。
1 件のコメント:
問題なのは、福島の現状、3号機プール内瓦礫撤去作業です。
原発云々以前の、現在進行中の大量虐殺を防ぐことです。
3号機プール内瓦礫撤去作業が遅れたせいで、
使用済燃料が飛散済であることの発覚が遅れ、
200km圏内の住民の移住が遅れ、
膨大な数の住民(数百万人)が肺癌で死んで行く可能性があるからです。
これが3号機プール内の現在(2014年秋)の状況です。
http://inf.to/wAu
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/d140925_10-j.pdf#page=20
「使用済燃料が全部残ってる」と言い張り続けるくらいなら、
養生材を置く直前に、
置く場所に使用済燃料がずらっと残っているところを写真に撮って、
その写真を公開すれば済む話です。
「瓦礫が少ない場所だから置いた」と言ってるのですから、
使用済燃料がずらっと残っているところが写ってる筈でしょ。
使用済燃料がずらっと残っている写真を見せれば一発で済むところを、
見せずに口だけで「残ってる」と言い張り続けている姿は極めて不自然。
しかも、養生材のある場所以外の瓦礫撤去についても、
撤去作業予定を何度も何度も後ろにずらして同じところで足踏みさせ続け、
見せないようにしている。
・4ヶ月遅らせ http://inf.to/l6r http://inf.to/m6r
・さらに1ヶ月遅らせ http://inf.to/n6r
・さらに3ヶ月遅らせ(12月中旬) http://inf.to/qAu
なぜ12月中旬まで何もせずに待っていないといけないのでしょうか?
私達は、非常手段を打って出てでも、
養生材を置く直前のその場所の写真を引き摺り出して公開させるべきです。
こう言うと、
「不安を煽ってる」と言いがかりつける連中がうじゃうじゃ湧いて来ますが、
私が訴えてるのは「公開させろ」で、白黒付けるための、して当然の行為です。
東電がどれほど嘘つきかはこの動画を見ればわかります
(東電テレビ会議録画。本37-6)。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23589204
http://www.nicozon.net/watch/sm23589204
もし使用済燃料の何割りかが無くなっていたら、
それは2011/3/14の爆発時に飛散してしまっていたということですから、
早く移住させないと、
200km圏内の数百万人が10年後に肺癌を発症して死んで行くことになります。
そんな大事なことを左右する画像、しかも、
見せようと思えば見せられる画像を見せずに隠し続けながら言ってる
「全部残ってるに決まってる」に命を預けるのですか?
200km圏内の住民の方々、本当にそれでいいんですか?
養生材を置く前のその場所の画像の公開を迫ることなく、命を預けたままで。
なお、東電は「濁って見えなかったから撮らなかった。写真は無い」
と言い張るかもしれませんが、
見えずにどうなってるかわからないところに置くわけないのですから、
置く先を見ながら置いた筈で、
見ながら置くときに見えていた画像をそのまんま撮ることはできた筈です
(写真が本当に無いのなら、見られると飛散済とバレるから証拠を残さないために撮らなかった)。
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