2人の消費税増税論者、野田総理は民主党内の反対派と戦い、谷垣総裁は党内の賛成派と戦う妙な情勢になってきた。野田総理は反対派グループの離党、副大臣、政務官など役職者の辞任で党内混乱をさらけ出すとともに連立を組んだ国民新党でも分裂寸前の状態だ。
相変わらず自民党に「良い案なら法案に取り込む」から協議を始めようと誘うが、一方の自民党の増税論者である谷垣総裁は、「けじめをつけるために解散・総選挙だ」と言い張り、「増税に賛成すべきだ」とするベテラン議員と対峙する結果になっている。
今まで増税一辺倒だった大手メデイアは、民主党内の増税反対派、解散・総選挙の自民党執行部に批判的な論戦を張ったが、法案が国会提出された途端に増税法案の問題点を指摘しだした。野田総理の無責任さものぞく。
「この法案が成立しなかったときは、どうするのか」と問われ、野田総理は「悲観的なことは想定していない」という。これだけ混乱させて、更に今後の国会審議でも混乱が予想されるが、最悪の場合どうするかを考えていないとは楽観主義者というか、馬鹿というか。それでも一国のリーダーかと言いたい。
景気条項が注目されているが、「増税が景気にどう影響するか」は誰でも心配することであるが、野田総理は国会審議でも真正面から答えていない。その戦略は日銀任せらしい。民主党政権は更なる金融緩和を日銀に要求するらしい。
野田総理は国債市場の動向を心配しているようで、増税ばかりに注目しているが、社会保障の全体像は示されていない。自民党に「良い案があれば提案してくれ」と言っているようでは、確固としたヴィジョンなど持っていない財務省丸投げの法案なのだろう。経済成長の条文も、増税引き上げの条件にならぬよう検討を財務省にさせたという。
一方の谷垣総裁はどうか。先の参院選では10%の消費税増税をぶち上げ、当時の菅総理もこの自民党案に乗りかかった。しかし、「マニフェスト違反に対するケジメを付けろ」と解散・総選挙を訴え続ける。真っ当な意見のように思えるが、野田さんにも意地とメンツがある。
自民党も増税を掲げたのだから「ここは賛成すべきだ」と谷垣さんに異を唱えるベテラン議員とどう戦っていくのか。9月の総裁選に首をかけた戦いになる。
2人の増税論者が、片や党内の反対論者と戦い、片や党内の賛成論者と戦わなければならない妙な政治状況になってきた。
政界再編が課題になるのも分かるが、何をテーゼに群がるのか。カラスには悪いが、烏合の衆であってほしくない。
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