南海トラフ巨大地震 各地で予測される 最大震度 2012.4.1 読売新聞 |
特に注目されている首都直下型地震では、プレート深さが10km浅くなったとして揺れが大きく広くなるということで、東京湾北部地震の想定は、震度7も予想され、震度6強の範囲も拡大された。でも以前の千葉県の調査では断層の確認がされなかったという。
また、東海地震、東南海地震、南海地震は、以前は単独での発生が考えられ、それでの地震対策が講じられた。しかしいろんな地震・津波、古文書の記録から3つの地震が連動したのではないかと考えられるようになった。
南海トラフの巨大地震に伴う津波高さ 2012.4.1 読売新聞 |
何でこうも規模の大きい地震・津波が予想されるのか。
地震学者は、モデルを使ってコンピューターでシミュレーションを繰り返しているようだ。過去の地震・津波の痕跡、古文書での記録、地震堆積物の解析などから、インプット条件を変えながら、どう考えると実際に合致するのかをシミュレーションするらしい。
そして出てきた予想が巨大地震・津波で、今までの対策を見直さなければならない結果になった。
私たちが知りたいのは出て来た結果だけでなく、どういう条件をインプットしたかを説明すべきだ。多くのケースが検討され、その中でどうして想定案が選ばれたかだ。
それとともに太平洋岸の自治体の防災対策を根本から見直さなければならない。○○分以内に高台へ、避難ビル、避難タワー、高層ビルとの契約などが検討されているが、数分で津波が襲ってくるとなると逃げ場がなく、かつ低地となればお手上げだ。
しかし、過去に何回も巨大な津波に襲われながら、どうして今のような街づくりを繰り返しているのか。寺田虎彦博士が指摘するように、その時は恐れていたが、だんだん恐れを忘れ、効率、便利さが追求された結果だろう。地元には浪分神社とか記念碑(?)が建っているが先人の忠告も無視されたのだろう。
被災地の年配者が、被害の様子は祖父から聞いた。私は子や孫たちに伝えているとテレビカメラの前でコメントしていたが、防災教育が一番の防災である。
観光地も事情が変わってこよう。修学旅行、観光などで賑わう地域はさらに厳しい。多くの観光客を相手に、いつ起きるかわからない巨大地震・津波対策をどう進めていくのか。
学校関係者、旅行主催者はどう考えるのか。私の娘が小学校の教師をやっているが、今度鎌倉で特別教課をやるらしい。数人のグループで地図を参考に観光のポイントを子ども達だけで巡るというのだ。
鎌倉は今まで5~7mの津波を想定していたが、今度9mを超す想定が出た(神奈川県は14.5mと公表)。とにかく警報が出ると(警報をどのように受けるかも課題だ)、鶴岡八幡宮(社務所で12~13m)や周囲の高い山を目指す必要がある。生徒にどう教えるか、万一の時の学校の責任はどうなるのか。責任問題になるんではないかと忠告しておいた。
また、原発事故の恐ろしさは福島第一原発のメルトダウンで身にしみてわかった。南海トラフでは浜岡原発をはじめ、大震災での事故が問題になる。今まではM9など我が国では起こり得ないと言っていたが、3.11で無残にも固定観念は崩れ去った。大飯原発の再稼働で慎重だった枝野経済産業相が再稼働の容認に傾いている。推進派の官僚にあることないことを言い含められたのか。
不思議なのは、報告書で100か所以上のミスが保安院から指摘されたという。一番よく知っているはずの事業者のミスをそれより劣る保安院の職員に指摘されるとはどういうことか。単純な数値の間違いか、それとも考え方の違いなのか。考え方の違いだとすると、安全確保上見過ごしできない事柄だ。
700kmにも及ぶ断層が動くとなると、揺れも長く被害も広範囲に及ぶ。津波で根こそぎ破壊されるとなると支援活動もままならない。近隣自治体の応援も無理となるとできるだけ被災地で対応しなければならなくなる。震災廃棄物などを全国の自治体で分散処理をするにも問題が大きすぎる。廃棄物処理施設は迷惑施設という観念を取り払い、自治体ごとに取り組む必要がある。
3.11の大震災でわかったことは、被災地の医療は救急医療もさることながら老人医療なのだ。高齢者の仲間入りは、お互いの助け合いになる。
それにしても、最近地震情報を全くテレビで見かけない。今までは1日数件の地震情報はあったし、緊急地震警報も経験していたが、ここしばらく全くと言っていいほどない。
何やら不気味さを感じる。
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