財務省、藤井税調会長にマインドコントロールされたのか、増税にのめり込む野田総理に「危うさ」を感じる。「不退転の決意」、「政治生命をかける」、「政治の集大成」そしてメーデーでは「何としても実現させる」と、次々に新しいフレーズで決意を表明し、藤井さんには「嘘をつくな ブレるな」と強迫(?)されている野田総理に勝算はあるのか。
メーデーでは、「国力と民力をよみがえらせる第一歩」と社会保障と税の一体改革を位置づけていると言ったが、兎に角、デフレ脱却で円高、株安対策をし、雇用を確保で経済を成長路線に持って行き、税収増を図らなければ国力も民力もよみがえらない。
消費税増税が、こんな経済下で、どう影響を及ぼすか。賛否分かれるところだろうが消費税増税で安定財源を確保できれば将来の負担が軽減され、その安心感から消費は伸びるだろうという政府の目論みとは裏腹に景気は下降するだろう。
でも、消費税増税への布石は着々と進んでいる。日銀白川総裁が先の記者会見で、14年度には経済成長1%は達成できる可能性があるとコメントした。安住財務相は、国会審議で「今の経済情勢下でもGOだ」と言っていたが、「増税ありき」の国会で審議ってもんではなかった。
負担を強いられる若者などの疑問は「必ずもらえるか。損をしないか」だが、先のTBSテレビNEWS23での若者との対話で「年金のもらえない国は、国ではない。消費税増税分は必ず還元されるので損はしない」と通り一遍の返答をしていたが、理解を得ることができたのだろうか。
ドサクサまぎれの「自ら身を削る改革」も国民にとっては満足のいく内容ではない。国家公務員や議員が定数削減、給料カットなど自ら不利な条件を飲むことなど考えられない。飲んだとしても何か裏があり、決して不利にはなっていないはずだ。
IMFやOECDからも強く要求されている財政再建、プライマリー・バランスの改善にあたっても10%消費税増税は支持されているが、日本の国家財政の現状、政府債務問題での危機の緊迫性に政府や財務省は、きちんと答えようとせず、消費税増税がなければ、日本もギリシャのようになると強迫する。
野田総理も財務大臣経験者として、国債下落、長期金利の上昇、国際経済への限りない影響だけは避けたいのだろう。谷垣さん、藤井さん、菅さんなど増税派は皆財務大臣経験者だ。
安定財源を目指す消費税増税でも、これで満足のいくものではない。経済成長で増税に持って行かなければ切りがない。
ところが、政府と日銀は財政政策、金融政策でお互いに責任のなすりあいをしている。日銀白川総裁は「量的緩和に過剰に頼ることは危険だ」と警告する。一方の政府は財政政策、規制緩和に手詰まり状態で、日銀の金融政策に過大な期待を寄せる。政治的圧力に屈する形で日銀は渋々量的緩和に踏み込んでいる状態だが、日銀券発行量以下というルールが日銀にはあるようだが、今それに迫っている状態だ。
野田総理が増税にのめり込めばのめり込むほど、背景にある国家財政の現状の説明不足、経済成長路線への取り組みの不明瞭さが目に付く。
このままいけば、小泉内閣の郵政民営化の二の舞にならないか。
森さんをして「小泉総理は殺されてもいいと言っている」と発言させ、小泉さんの悲壮感と並々ならぬ取り組みへの決意を表明させたが、その後の郵政民営化がどうなったか、今の郵政民営化改正がどうなったか。当時の国民が描いた期待通りになっているのか。
為政者の演出に騙されてはいけない。
野田総理がのめり込めばのめり込むほど、「危うさ」が目立ってくる。
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