民主党は、先の衆院選で自民党等は反対の政策を数値目標を入れたマニフェストで国民の賛意を得て政権に就いたが、今その「ばらまき予算」のマニフェストに縛られて政権運営に支障をきたしている。
その轍を踏むまいと、自民党の新公約もビジョンの見えない、且つ重要課題は先送りの内容で、これで政権奪取できるのかと疑問に思う。
今争点になっている社会保障と税の一体改革での消費税増税も当面10%への引き上げというが、それで足りるとはだれも思っていない。その後の政策が見えない。
野田総理が不退転で取り組み、国際公約にしてしまった財政再建への道筋も見えない。確かに経済成長に日銀の物価目標2%、さらに大胆な金融緩和、法人税の20%台への引き下げを謳っているが、日銀は行き過ぎた緩和には警戒している。国会審議でも日銀はかたくなに従来の政策を堅持している。
民主党には日銀法を改正してまで日銀に言うこと聞かす動きもあるが、自民党はどうするつもりなのか。
円高、デフレに関しては何も言及していない。日銀がインフレ目標を1%に、さらなる金融緩和に踏み切ったことで一時、円安、株高に動いたが、今はまた円高、株安の動きだ。日本の国内企業の空洞化を防止し雇用を拡大する政策が見当たらない。
重要政策の先送りも目立つ。原子力政策は10年かけて検討するというし、TPPは聖域なき関税撤廃前庭での交渉は反対だという。党内でも考えが統一されていないはずだ。
憲法改正、自衛権を明記したこと、行財政改革で公務員の総人件費2割削減は、多数党が混在する民主党ではできないことだ。
また、社会保障政策を間違っているためか、おかしな社会現象が出てきている。真面目に働くより生活保護を受けた方が得策だということで、生活保護費が3.7兆円と急増している。年金や最低賃金より生活保護が高いのだ。おまけに介護、医療が無料だという。
真面目に働く意欲が出る社会保障、賃金体制にもっていってほしいものだ。
そして、これが一番大事なことであるが、政治の安定だ。
議論することは大事であるが、党内、政権がゴタゴタしては何にもならない。民主党と違って保守政党として一枚岩で政治を進める体制になっているのか。政権奪取後に、党内ゴタゴタ、主導権争い、与野党対峙では困るのだ。
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