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日銀よ 何処へ。現白川総裁の任期も残り1年、就任時もひと波乱あったが、次期総裁人事も国会でもめるのか。デフレ脱却→経済成長路線へのかじ取りで、国会は日銀にも責任を持たせるべく日銀法改正をにおわせ日銀を揺さぶっている。
国会は、デフレ脱却へインフレターゲとの設定、更なる緩和政策を要求しているが、1%の目途は2%の他国に比べて低すぎ、金融政策にも口出ししようとしている。政府も財政政策で、これといった妙案がないのだ。
政府、国がインフレターゲットを決め、日銀が政策に責任を持ち、達成できなければ総裁、審議委員に責任を取らせることを狙った日銀法の改正が話題になっているのだ。
一方、日銀は物価の安定が主な仕事で、従来から白川総裁は「金融政策だけではデフレ脱却はできない」、「行き過ぎた緩和政策の副作用に警戒すべきである」と主張し、国会が要求する更なる緩和に腰が重いのだ。
「デフレ、円高対策には通貨量を増やせ」という在野のエコにミスト、国会の予算委員会での追及に、マネタリーベースを対名目GDP比で比較すると日本は他国に比べて高水準にあり、十分な通貨量だという。しかし、中央銀行のバランスシートをリーマンショック時の2008年9月を100とすると、米英は急激な増加になっているが、日本は緩慢な増加なのだ。
両者は、同じ資料で議論せずに、それぞれ自分に都合の良い資料で論戦を張っている。これでは平行線で何ら議論にはならない。
今の日本経済は、1000兆円という巨額な政府債務を持つ先進国一の債務国であり、金融機関が大量の国債を保有する。低金利が続くことで成り立っている経済なのだ。一旦市場が見切りをつけ国債が下落すると、長期金利は上昇し、大きな損失を抱えることになる。先の国会で「1%金利が上がるとどうなるか」問われた日銀は確か6兆円の損失が金融機関などで出ると答えたように記憶する。
我が国の財政危機については異論もあるが、財政再建への政策を強力に進める野田政権の大義があるのだ。
ところが、日銀が通貨量を増やしインフレ政策を取ると、インフレ予想とともに長期金利も上昇し、国債を大量に保有する金融機関は経営危機に架かる。勿論政府も利払い費が大幅に増加し財政を圧迫する(経済気象台 朝日新聞2012.4.12)。
デフレ脱却、インフレターゲットで目指す経済成長路線は、本当のところどうなんだ。正しいのは政府なのか、日銀なのか。
2月14日の日銀のインフレターゲット(目途)と10兆円の追加緩和は、その後の円安、ドル高、株高で金融政策は効果があったと見るべきだろうが、今はまた円高、株安の傾向だ。欧州経済危機の回避、米国経済の動向の要因が大きい気もするが。
しかし、日銀も象牙の塔の中で高給を取る総裁、審議委員ではなく、責任を持った政策を取るため失敗すれば総裁、審議委員の辞任も覚悟するようでなければならない。
とりあえずは、27日の金融政策決定会合でどんな判断が下されるかで日銀の本気度がわかるという。
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