野田内閣支持率が30%を切る 2012.4.12 読売新聞 |
内閣支持率の下落が続く。野田総理は「丁寧な説明」を口癖にしているが、理解するにはわからないことが多すぎないか。読売新聞(2012.4.10)の世論調査で内閣支持率は28%で、前回は下落に歯止めがかかったと思ったが30%を切り、不支持率は59%に。消費税増税に対する民主党内の混乱が大きく響いている。消費税の必要性は55%の人が認めているが、民主党の消費税増税法案には57%が反対している。
国家財政の実態がよくわからない。政府、財務省は政府債務が1000兆円になり、対GDP比200%で先進国一悪い。プライマリー・バランス改善には、財政再建が必要で安定税収減には消費税増税しかないという。更に市場の信頼を失うと国債下落、長期金利の上昇という最悪の事態も考えられるという。
でも、逆に資産もあり純債務は対GDP比70%では、言われているほどの危機への緊迫度ではないという在野のエコノミストの解析もある。
国会審議でもよく聞かれる「今の経済状況下での増税は景気を悪化させるのではないか」、「増税は税収につながらないのではないか」との考えに、野田政権は答えられない。
今巷で言われていることは、国家財政の本当の姿を隠し、政府や財務省はメデイアや国民をミスリーデイングしているという。
増税だけでは財政再建は覚束ないことは誰でもわかる。デフレ下で経済を成長路線に導くには脱デフレ政策が必要である。政府の財政政策には期待出来るものがなく、日銀の金融政策、更なる量的緩和を要求している。2月のインフレタ-ゲット、10兆円の追加に効果があったのか、円安、株高に転じた。市場がリスク・オフからリスク・オンに転じたと日銀も見ていた。
ところが、今は円高、株安傾向になってきた。日銀の政策もさることながら、欧州危機、米国経済に影響される要素が大きい。
肝心な日銀と政府に思惑の違いがあるようだ。政府、国会は日銀法を改正してでも政府がインフレターゲットを設定し、日銀が責任を持って政策を進める。日銀に責任を持たす必要性を主張している。
一方の日本銀行の白川総裁は18日、ニューヨーク市内で講演し、「中央銀行の役割を過大評価することも過小評価することも、ともに危険だ」と述べ、日銀の金融緩和に対する過大な期待をけん制し、中央銀行にはできることと出来ないことがあると明言し、政府に対しては構造改革、財政再建を急ぐよう促した(読売新聞 2012.4.20)。
日銀の審議委員の選任も国会で同意が得られず空席もあり、1年後に控えた総裁任期切れ後もひと波乱ありそうだ。財務省寄りの考えをする人材を避けているようだ。
このほかにも、大飯原発再稼働で専門委員の意見を聞かず安全判断を政治決定した経過も国民の不信を招いている。地元自治体は交付金、雇用の確保で再稼働に賛成でも、周辺自治体は反対するだろう。野田政権がどう説得できるか。ここでも情報公開が叫ばれている。
情報公開、開かれた政治、誰にでもわかる政治を目指した民主党ではあったが、権力を手中に収めると次第に変質していった。正直に情報を公開すると政策が進まない恐れがあるのだ。
自民党だって今、国民の声を代弁しているように見えるが、政権を奪取すれば態度を豹変するお可能性は十分にある。
首相経験者の回顧録で、「あの時はこうだった」と言われても、もう遅いのだ。
一党単独でグイグイ政治を進めるよりも、数党が協調し合って議論し政策に対する情報公開に努めた方がベターと思うが、今のねじれ国会を上手く運用できないものか。
兎に角、政策推進に当たり、何故そこに行き着くのかの情報が少なすぎる。これでは内閣支持率も下落するし、将来の国民生活の安心など得られるはずがない。
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