2012年4月18日水曜日

ミサイル発射情報遅れ:危機管理のお粗末さをさらけ出す


衆議院予算委員会
2012.4.18 NHK国会中継

北朝鮮ミサイル発射情報遅れは、世界に我が国の危機管理のお粗末さを曝け出す結果になった。18日の衆議院予算委員会をNHK国会中継で見た。ミサイル発射情報の国民への提供が遅れたことは重大な問題であり、再発防止のための鯨飲、責任の追及は当然だろう。

高価な防衛システム、監視システム、情報提供システムを構築しながら、今回も肝心なところで役立たなかった。早めの「誤報」も困るが、遅い情報も国民の財産、生命を守ることからも困った問題だ。

おまけに、今までのシステムが効果を発揮できなかったのだから新たに「早期警戒衛星」の必要性が提案、議論されたが大事なのはどんなシステムであれそれを使いこなす人間の能力の問題だ。

13日は、打ち上げが予想されていなかったためか、関係者の動きも鈍い。

防衛省中央指揮所、危機管理センターはで公務員が情報収集、伝達の作業をしているが、「何時何分にどのような情報を得て、誰に伝えたか」などを追求しているのだが、田中防衛大臣、藤村官房長官は官僚の作成した資料をよみあげていた。

質疑の中で、総理や官房長官は「第一報を誰から受けたか」という問いに野田総理は7時42分に秘書官から、官房長官も7時42分に秘書官から得たという。内容は「飛翔体が確認された」というもの。それがSEW情報かどうかはわからないということだった。

「第一報を何故、国民に伝えなかったのか」には、2006年、2009年の教訓からWチェックを基本としていたが、我が国のレーダーによる確認ができていかったためらしい。
米国のSEW情報と我が国のレーダー情報のWチェックによる「誤報」を防止しようとしたのだ。

このような場合、マニュアル通りにはいかないので、もっと柔軟に対応すべきではないかと指摘されていたが、野田総理は確認に時間がかかり、国民への情報の発信が遅れたが改善すべきであると答弁した。

そして今回の情報発信遅れの見直しとして、防衛省の機構改革、イージス艦の東シナ海への展開、日本と韓国との情報の連携などが質問者から提案されていた。

国民への情報提供に「誤報」があってはいけないという政府の緊張感が、ミサイルは発射したが、すぐに海に落下し、我が国への影響は無くなったことで緩んだ結果、遅れに遅れた情報発信になったのだろう。

また、12日が過ぎたら、次は14日だろうという気のゆるみが、13日の不意打ちに関係者が右往左往したのではなかろうか。

結果論として、世界に我が国の危機管理、情報伝達のお粗末さを曝け出すことになった。我が国の安全上由々しき事態である。

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