2012年5月14日月曜日

消費税増税国会:飛び交う情報で政局混迷、解散・総選挙で新しい局面展開を

社会保障と税の一体改革がやっと国会審議の緒につくかと思う一方で、民主・自民で繰り出す戦術に政局は混迷、読めぬ政治が不信を助長するが、解散・総選挙で新しい局面の展開をしたらどうか。

野田総理は「不退転の決意で、今国会期中に成立を期す」の一点張り、「党内反対グループも、党で決めたことだから最後はしたがってもらえるものと思う」と反対派をけん制する。

いつだったか、「重大な決意」をにおわせた時もあったが、解散・総選挙の言質は取られないよう腐心する。

一方の自民党は、相変わらず「マニフェスト違反」「国民に信を問え」と早期の解散・総選挙を主張する。自民党も一気に10%の増税を掲げたのだから、推進勢力だが、国会質疑では賛成へのハードルは高いという。

党内も一枚岩ではなさそうで、ベテラン議員は「審議に応じるべきだ」と主張する。選挙で政権に返り咲いた時、消費税増税をどう訴え、国会対策をやるのかと危惧する。

小沢グループを率いる小沢さんも無罪判決→控訴、党員資格停止処分解除を受けたが、輿石さんの意に反して「増税反対。マニフェスト回帰」を強調する。野田総理との話し合いなど念頭にない雰囲気だ。

ところが、審議入りを画策し、岡田副総理は自民党重鎮らと裏交渉をやっているらしいが、2閣僚の交代を要求される。野田政権にとっては求心力を失うことになるので到底認めう訳にはいかないようだ。

そこで、今度は輿石さんが「来年9月の衆参W選挙」を言い出した。今国会中の採決先送りで小沢さんの顔をたてるつもりだろうが、早期解散を要求する自民党にとっては乗るわけにいかない案だろう。

そもそもW選挙自体が問題だ。衆議院選挙の間に参議院選挙を入れて政権の政策に国民が審判を下すのだ。ねじれ国会対策というが避けるべきだろう。

衆議院の圧倒的議席数で民主党の適当な政策をやってもらっては困る。ねじれ国会は、政権を監督/監視する優れた状態かもしれない。

それぞれの政党が自党に有利な好き勝手なことを言っていては国会は平行線で、「政治は前にすすまない」。

先日朝日新聞で小泉政権のことが載っていた。

小泉政権の時も経済閣僚が増税を訴えていたが、小泉さんは「任期中は増税しない」と言明していたのを覚えている。

大方の見方は、小泉さんは郵政民営化で精魂尽き果て、やる気にならなかったのだという。

ところで、小泉さんが「殺されてもいい」とまで言って斗入り組んだ郵政民営化が今どうなったのか。あやふやで内容も後退したものになってしまった現実を政治家はどう見るか。

野田総理が不退転の決意で、政治の集大成として取り組んでいる社会保障と税の一体改革も先の展望は見えず、このままでは郵政民営化の二の舞になる恐れがある。

小泉さんは、国会を延長することなく、早々と閉めた。その後の政権で年金問題などが噴き出たのではなかろうか。小泉さんは「あの時国会を閉めたのは正解だったろう」との後日談がある。

紛糾し汚点を残すことを避けるためだったのだろう。そんな小泉さんが、「今総理にしたい人」で名前が挙がっているというから不思議だ。

混沌とした国会では、まともな政治はできない。

解散・総選挙で新しい局面を展開したらどうか。「市場がどう見るか」と心配する野田さんだろうが、スッキリさせた方が、余程いいと思うのだが。



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