消費税増税をやった時のマイナス効果、やらなかった時のマイナス効果、両者を考えた時に、どちらが悪さ加減が少ないか。21日の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会のNHK国会中継で、みんなの党の江田幹事長はやった時のマイナスを主張すれば、野田総理はやらなかった時のマイナス効果をバランスを取って考えなければならないと応戦した。
江田幹事長は、消費税増税を将来にわたって反対するものではないが、今の経済状況下での増税は税収減になりマイナス効果だと言い、今は成長路線に持って行くのが常道だというのだ。
雇用の創出を伴う成長戦略は、民主党でも菅政権時代に新成長戦略を提案したが、その409件の政策のうちで効果が確認できたのは36件と低い確率でなかなかうまくいかないようだ。
問題はやはり財源で、どのくらいかかるかわからないし、財源に国債を発行すれば財政をさらに圧迫する可能性もある。財政再建を謳う野田政権ではなかなか取っつきにくい政策である。
しかし、国会でも「増税一本やりではない」と成長路線の重要さも認識し、G8でも強調したところだ。
一方、野田総理はやらなかった時のマイナス効果も考えなければバランスしないという。
何故、マニフェストにも掲げなかった消費税増税に野田政権は突き進むのか。どんな大義があるのか。
恐らく財務相経験者として、我が国の政府債務は対GDP200%超で先進国一悪い状況だ。このまま財政再建の道を歩まないと、日本国債の信用下落で長期金利も上がり、世界経済に大きな影響を及ぼすことになる。我が国がギリシャになるのは避けたいのだ。
でも、対GDP200%には専門家の間でも異論がある。我が国は資産としても対GDP120%もあるんだから差し引きの対GDP80%の債務は問題ないというのだ(数値には違いもあるが)。
財務省は資産の中でも即現金にできないものもあると予防線を張るが、日本の国家財政の現状をしっかり国会で議論された形跡はない。
「何故消費税なのか」についても議論がある。公平に安定財源を確保するには消費税が適するというのだが低所得者層には不利な逆進性がある。その対策として軽減税率が上がってきたが、これを採用すると逆に減収になるというのだ。
もっと基本的なことでしっかり議論してほしいが時間がないという。
野田総理は不退転の決意と気ばっかり焦っているようだが、内容はどうでも「消費税増税」という名の法案がほしいのか。
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