今国会会期中に増税法案成立の 厳しさを表明する野田総理 2012.5.22 NHK国会中継より |
どうしても今国会での社会保障と税の一体改革、消費税増税法案の成案に政治生命をかけるという野田総理は「胸襟を開き話し合い」、「修正に応じる」、「知恵を出し合い結論を」と譲歩も含めた歩み寄りコールを野党・自民党に送っているが、これだけで政治が前に進むのか。
自民党の話し合い協議に加わる前提条件は、2009年のマニフェストの撤回、マニフェスト違反にけじめをつける解散・総選挙、増税に反対する小沢元代表との決別が挙げられていた。
自民党は常に、「マニフェスト違反を国民に詫びろ」というのに対して、野田総理は「財源の問題、税収減などの要因もあったが、認識が甘かったことをお詫びする」と非を認めているが、自民党は一向に納得しない。結局は早期の解散・総選挙を要求しているのだ。
2009年の衆院選での自民党大敗の要因は、自民党マニフェストとは内容的にほぼ反対のマニフェストで国民の気持ちを掴まれたことだ。
子ども手当、農家の戸別保障制度、最低保障年金制度を含む社会保障制度改革、後期高齢者医療制度の廃止、増税は任期中はない、仕組みを変えることで約17兆円の無駄削減などなど。
マニフェスト実施にメンツの戦いもあった。子ども手当は財源不足で減額で始まったが、野党のバラマキ予算反対で従来の児童手当に戻す議論になったが、「子どものための手当」などマニフェストからくる名称に拘ったが、最終的に児童手当になり、野党が一本取り返した感じだ。
自民党は社会保障と税の一体改革の対案を出すからの飲めるかという。
マニフェスト撤回は勿論のこと、自民党案を飲むということは民主党の公約を破綻させることであり、民主党内にあって野田政権が持ちこたえられるのか。これ以上のマニフェストの見直し、撤回は政権交代の根拠が崩れることであり、避けなければならない事態である。
それでも、野田総理は消費税増税法案を通したい一心で自民党など野党に譲歩するつもりなのか。
社会保障の一体改革で、「基本的方向性で見解が違うとは思わない」と野田総理は歩み寄りの姿勢を示しているようだが、国会中継で見る限りあのポーカーフェイスからは真意がくみ取れない。
暗雲が掛かった民主党政権の社会保障と税の一体改革に、どう私たちの代表である国会議員が判断するのか、混とんとなればなるほど財務省が付け込むチャンスを与えるばかりだ。
それとも政治主導で一気に決着する勝算でもあるのか。
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