2012年5月25日金曜日

「決断する政治」に必要なのは、野田総理の決断力


政治が前へ進まないと嘆き、決断する政治の必要性を強調する野田総理は何も決まらない停滞する政治に決別する決意を示しているように思うが、結局のところは自らの決断力の欠如、決断の先延ばしが原因であることがわかっているのか。

国会審議やメデイアの報道を見ると、野党に向かって「話し合いの土俵に上れ」、「譲れるところは譲るから妥協せよ」と言っているように思える。

消費税増税反対の最大グループを率いる小沢元代表と打開に向けて話し合う予定だというが、お互いに「反対」、「党議で決まったことだから賛成してくれ」では平行線で何も前に進まないのではないか。

そもそも、こんな状況になったのは、政権交代をめざし「自民党政権とは違うんだ」と改革を訴え、何やら期待できそうな感じを有権者に持たせたのは良いとしても、民主党政権が消費税増税のようにマニフェストに反する政策を打ち出したり、相次ぐ見直しを国民の信を問うことなくやっていることだ。


民主党内にも、これ以上の譲歩は支持を得られないと前原政調会長は苦言を呈する始末だ。

野党・自民党からは、話し合い協議に入る前提として、マニフェスト違反にけじめをつけ解散・総選挙、小沢元代表との決別、社会保障一体改革では自民党案の丸のみ、そして問責決議された2閣僚の交代が要求されている。

そして自民党の提案に対しては、国会特別委員会で「検証してみる」ともいう。

民主党内では政治基盤が脆弱で、党内調整に及び腰の野田総理が、党外に向かって口先だけの決意を述べているのではないのか。


更に、「法案が成立しなかったときはどうするんだ」と聞かれ、「仮定の問題には答えら得ない」という。ケース・スタデイーをやっていないなんて考えられないが、やっていないとしたら、一国のリーダーとしてはお粗末過ぎないか。

この停滞した政治を打開するのは、野田総理の決断しかない。政治を前に進めるには政策ごとに問題点、野党との不一致点に決断を下さなければならない。

日本国債の格下げを報じるフィッチ
2012.5.22 フィッチHPより
22日には、格付け会社フィッチが日本国債の格下げを決定した。財政再建に向けた取り組みに切迫感がないと言い、法案成立がない場合は、更に格下げするとも言う。

何やらまだはっきり法案の不成立決まったわけではないのに、早々と格下げで脅してくるなんて民主政治を冒涜する如何極まりない格付け会社の暴挙ではないか。結果が出てから判断されるべき問題ではないか。

それにしてもこのフィッチの決定が野田総理を後押ししているように見えなくもないが、実際は政治機能不全で野田総理の政治力に疑問を呈しているのだ。

他人任せでなく、自ら決断していくしか打開策はない。

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