消費税増税法案の可決・成立を 報じるNHK参院本会議中継 2012.8.10 |
大きな不安、不満と疑惑を抱えたまま消費税増税法案が10日午後、参院本会議を188vs49で可決・成立した。8法案のうち消費税増税は記名式だったが、他の法案はボタン式で粛々と投票がすすんだ。
本会議の国会中継があるとは知らなかったので、そろそろ結果も出ている頃だろうとNHKにチャンネルを回したら、提出法案に対する賛成、反対の討論が交互にされていた。
民主党議員は世界に冠たる社会保障制度を維持するためには社会保障と税の一体改革は必要で国論を二分することになったが政治が決断した。また3党合意で政治も進化してきた。財政危機が生活を直撃しているが、安定財源として公平な消費税増税は必要だ。80時間かけて審議してきたことに敬意を表すると賛成論を打った。
みんなの党の小野議員は反対理由として、民主党は約束に反する。2009年シロアリ退治を訴えたが、シロアリ退治は出来ず国民を欺罔している。天下り、公務員給与などやるべきことは山ほどあるが、名ばかりで内容は増税後に検討することになっている。デフレ下での増税派一層景気を悪くし税収増はない。3党合意で手を加えられ曖昧になり、再増税に縛りがなくなり、財務省のフリーハンドだ。また、財政再建にはつながらない公共事業拡大にのめり込んでいる。シロアリはウヨウヨしており、自民党は国土強靭化基本法案で10年間に200兆円の大盤振る舞いを考えているなど理由を挙げ、反対し、早く国民の判断を仰げと主張した。
小野議員の国会審議の内容は国会中継で聞くことが多かったが、消費税増税法案の問題点をよくつかんでいた。
自民党の中村議員は民主党のいい加減な政策が3党協議で合意に達し、いい法案になった。これから本格意的な改革が始まるだろうと自民党が法案の修正に加わったことを評価した。そして国民の声、現場の声を聴くために国民の審判を仰げと解散・総選挙を訴えた。
共産党の市田さんは、満身の怒りを込めて反対討論をした。自民・公明は公約違反と言いながら公約違反を押し付けることをやった。低所得者のことを考えるのであれば増税はしない方がいい。更に(増税分を価格に転嫁できない)中小企業の負担をどうするのか。廃業の危機にあると訴える。メデイアの報道でもこのことを指摘する人は多い。経済に大打撃を与え、財政は悪化、社会保障解体法案だと皮肉った。
公明党の荒木議員は、廃案の危機にあったことは政府の責任だとしたが、衆議院を通った法案を3党で見直し、議員立法とした点を評価し賛成討論したが、早期に解散し国民の信を問えと訴えた。
社民党の又市議員は、談合による法案に反対だとし、(社会保障と税の一体改革の)全体像を示して財源をどうするかを考えるべきだと主張、デフレ下での増税派可処分所得を減らす。高額所得者への課税を70%から40%にし、法人税を43.3%から30%へ下げたことで20兆円の減収になったではないか批判した。この点は経済学者がよく指摘するところだ。そして、増税への怒りは燃え上がる。政治家は良心を取り戻し反対せよと訴えた。
無駄の削減、身を切る改革が中途半端で、社会保障と税の一体改革の全体像が見えない中での増税が先行する政治に不安と不満は大きい。
デフレ下での増税は常識で考えれば税収減で、財政再建など程遠いと思うが、政府による納得のいく説明は国会審議では聞けていない。実際のところはわからないのだろう。正直に言わないところに政府に対しする不信が募る。
そして、社会保障と税の一体改革で可処分所得が大きく減少することだが国民は納得しているのか。国会審議でこの点を聞かれた野田総理は減収ばかりを話題にするが受益分もあると抗弁していた。
一体改革関連法案は参院を通過し成立することになったが、財政再建に向け将来の明るさが見えて来たかというと逆ではないか。
賛成討論した議員でも、早く国民に信を問えという。丁度参院特別委員会でも「近いうち」「3党合意の効力」について質問が出ていた。野田総理は時期の明確化はできない。3党合意の効力は総理が変われば効力はなくなるが、3党合意というものに基づいて考えなければならないという意味の答弁をしていた。
大きな不安と不満の払拭できない一体改革が緒についたことになる。消費税増税施行に向けGO判断する政権がどんな政権かわからないが財務省の息のかかった政権であってほしくないと願う。
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