参院特別委員会での野田総理 NHK国会中継 2012.8.24 |
尖閣諸島、竹島に関する対中韓・日本弱腰外交は国家主権にかかわる問題であるが、政府は「毅然たる対応」をとると言いながら、一方で「冷静な対応」に終始することにより、相手国に「恐れるに足らず」の誤ったメッセージを送り、解決どころかエスカレートするばかりだ。
海洋国家として、東京から遠く離れた国境の島であっても近隣諸国の不法侵略は、国民の生命、財産、安全を脅かすものであり、毅然とした対応が必要で警察、海上保安庁で対応できなければ自衛隊による防衛も考えなければならない。
ところが、こういう事態は発生した時、政府はいつも「毅然たる対応」をするという一方で、本音は「冷静・沈着な対応」を念頭に置き曖昧で甘い対応する。事を荒立たせず、双方の立場を考え、未来志向で全体に悪影響が出ないような対応を優先するために何の解決にもならず、面倒な問題は先送りするいつものパターンになる。
24日の参院特別委員会のNHK国会中継で日本外交の一部を知ることができた。
自民党の山谷議員が、野田総理が野党時代に国対委員長をしていた時、「自民党政権の弱腰外交を追求していたが、今野田政権は弱腰外交しているのはどうしてか」と問うていたが、明確な答弁は避けた。
竹島問題について
自民党・山本議員から出た韓国に対する通貨スワップで130億ドルから700億ドルへの拡充措置が10月に切れるがどうするのかとの質問では、融資枠縮小を検討しているようだ。この拡充は韓国の要請によった処置だったが、今回韓国は日本からの要請だったという情報を流したために抗議したという。仲がこじれてくると事実も正反対になるのだ。
メデイアでは、韓国への経済報復を示唆する意見も出てきている。
竹島への体制強化が必要になるが、予算、人の関係もある。北方領土の方もしっかりやらなければならないという。
慰安婦問題では、野田総理は「知恵を絞る」と発言したが、1965年に法的決着はついているが、それ以上に人道的に何ができるというのか、知恵とは何かと追及されたが、具体的に何かがあるわけではなさそうだ。
かえって、これが「何かしてくれるのか」と誤解を生む原因にもなっている。
武藤駐韓大使を一時呼び戻したが、外務大臣が会ったのは翌日の朝で、危機感がないのではないか。閣僚会議を何故開かなかったのかと職務怠慢を追及されたが、玄葉大臣はオールジャパンでの対応を指示していたという。でも反省しているとも言う。
ただ外交ルート上問題があったようだ。駐韓大使が韓国政府と連絡を取ろうとしたが、連絡がつかなかったという。以前にも何度かそういうことがあったようだ。これについては深刻に受け止めるべきではないかと言う。
大事な時にコミュニケーションをとろうとしても取れないことは確かに深刻だ。
また、すぐに大使を返してしまったのはなぜか。早すぎた帰任は間違ったメッセージを送ったことになり、もっと毅然たる対応をすべきだったのではないかとの質問に、大使も現地で抗議する仕事があるためだという。
世界にアピールするために国際司法裁判所(ICJ)に共同提訴を働きかけているが、実際問題としてICJでの議論も100件中4件で世界にあまり知られていないという。
韓国、国際社会にメッセージをどう伝えるか。今までは確かに自民党政権時は「韓国による不法占拠」としてきたが、民主党政権になって「法的に根拠のない支配」という表現に後退させたが、今回はっきり「不法占拠である」ことを発信した。夕方の野田総理の記者会見でも「不法占拠」を主張していた。
しかし、この「不法占拠」も国会審議で野党議員から執拗に質問され、外務大臣がやっと「不法占拠だ」と認め、野田総理も追認した。つい2~3日前のことだ。こんな民主政権の態度が、韓国に間違ったメッセージを送っていることにもなる。
しかし、この「不法占拠」も国会審議で野党議員から執拗に質問され、外務大臣がやっと「不法占拠だ」と認め、野田総理も追認した。つい2~3日前のことだ。こんな民主政権の態度が、韓国に間違ったメッセージを送っていることにもなる。
尖閣問題について
海上保安庁が公開した台湾活動家 上陸時の映像 2012.8.27 民放テレビより |
自民党・岸議員は、無人等で支配が脆弱ではないのか。自衛隊が駐留するとか、日本人が住むこともできるように避難港をつくってはどうかと提案、きちんと管理できるようにしなければならないのではという。国土交通相は、22年に要望が出され政府全体で検討しているという。
また、日本人は上陸できるようにしなければおかしい。だから相手が付け込んでくるという。
自民党・山谷議員は、強制送還の判断はどこから出たのか、石を投げても公務執行妨害になるという最高裁の判断があるが、何故入管65条適用になるのかとの質問に、野田総理は捜査機関の判断の報告などを受け、最終的に私が判断したという。
腰砕けの判断の責任を問われて、顔色を変えての反論だった。事を荒立てたくない、冷静沈着に、未来志向で対応したい気持ちがありありの国会質疑だった。
最後に山本議員と岸議員が「近いうちの解散」について「何時だ」と質問したが、野田総理は「それ以上でも、それ以下でもない。時期、時間までは含まれていない」と従来の考えを繰り返した。
やっぱり、谷垣総裁は騙されたことになるのか。
社会保障と税の一体改革、消費税増税関連法案成立に向けて、野田総理は何度も電話で強く要請し、解散について時期の明言はしなかったが谷垣さんは法案成立の了承をした。
野田総理のやり方は人間失格だ。問責決議案を出すと山本議員は息巻いた。
この日本外交の弱腰は、何も民主党政権で始まったことではない。竹島に施設、ヘリポートが建設されたのは自民党政権の時だ。自民党議員は民主党政権のやり方を批判ばかりするのではなく、オールジャパンで対応しなければならない外交問題だ。
東京都が測量のために上陸を申請しているが、24日の石原知事も記者会見で「自分も行く」という。石原知事の方が国民にとってはわかりやすい対応だ。
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