2016年11月3日木曜日

政界お天気情報:吹き荒れると思った解散風は予報外れか

二階幹事長あたりから発生した解散風が吹き荒れるかと思っていたが予報外れに終わったようだ。二階さんは自民党1,2回生議員は地盤も弱く常時戦場のつもりで選挙区対策をしろとハッパをかけたと言う。新聞報道では安倍総理の意向で沈静化に向かっているが本音は違うのでは。

何故、解散を急いだのか。

18年には任期が終わるが、そこまで待っても政権、自民党には不利な状況しか考えられない。

自民党総裁任期を3期9年に延長でき安倍総理の任期が後3年延長になって一気に解散総選挙に打って出ようと思ったのか。

政権内での菅官房長官vs麻生財務相の考え方の相違がある。麻生さんは総理経験時リーマンショックに遇い、選挙より経済対策が重要と考え、当時解散が叫ばれていたが1年遅らせた結果、選挙で敗北したとの反省があり今選挙すると議席数は減るが「今しかない」と判断したのだろう。

一方の菅さんは今、衆議院で296議席、2/3を確保している。何で無理して議席数を減らす選挙をやるのだという考え方だろう。2/3議席あれば何でも出来る。そういう状況を維持したいのだ。

確かに自民党にとっては不利な状況が出てくる。

来年の都議選では小池旋風、自民党都連のブラックボックス化で自民党は小池新党の候補者に食われるだろう。一時ではあるが自民党に取っては逆風だ。その影響を受けたくない。

TPP関連法案の成立、批准となると農業立地の選挙区では自民党候補者には不利だ。すでにその傾向は出て来ている。

「余り急ぐ必要はない」と世論調査で言われている憲法改正も今度の選挙では争点にしなければならない。今まで争点隠しで誤魔化してきたが今度はそうはいかない。正々堂々と「憲法改正の是非」を問えば自民党には不利だ。
そして18年度まで待つと日銀が先送りした2%物価安定目標の達成が無理かどうかが分かってくる。無理と言うことになると安倍総理の経済政策アベノミクスのポイントである第一の矢が折れたこと(今でも折れているが)になり、政権にとっては致命傷になる。

NHKの会長人事も関係してくる。「政権が右と言えば右」と政権寄りの言動をとっていた籾井さんが続投するかどうかは経営委員会、官邸が評価されることになる。経営委員会は会長人選の基準を作って選考しているようだが、今までの安倍政権の恣意的人事は国民の反感を買っている。

更には野党の民進党と共産党の共闘が保てるかどうか。共闘できれば安倍自民党に取っては脅威になる。しかし残念なことに民進党の姿勢に迷いがある。共闘態勢が整う前に選挙する事も勝つ手段ではある。

なかなか政界は難しい。ところで安倍さんは18年の任期切れでどう出るか。

もうここで終わるのではないか。念願としている憲法改正もハードルは高い。安倍さんのような右翼的思想の強い政権では国民は賛成しないだろう。日本維新の会は賛成と言うが公明党は考えが違う。自民党草案がやり玉に挙がっているがこんな草案で良いとは思えない。

アベノミクスも心許ない。第一の矢、第二の矢は折れかかっているし、第三の矢の規制緩和、イノベーションも成果が見えてこない。経済財政諮問会議で民間委員が3本の矢を一本一本を使うのではなく、3本まとめて使わないといけないと言う。でもそれぞれの矢が欠陥品ではどうしようもないのではないか。

伊勢志摩サミットで世界的経済危機にあたって力のある国は財政出動を訴え我が国も補正予算を組み対応しているが赤字財政で借金は増えるばかりだ。借金しても税収が増え回収できれば良いがそうはいかない。

喫緊の課題である脱デフレ、消費の伸びが必要になるが賃金は上がらず、社会保障、将来の不安から国民のサイフは固い。政府は就業率が向上していると言うが非正規労働者が増え、同一労働同一賃金もままならない。政府は財界に賃上げを要求するが経済界での考えはまちまちだ。

北朝鮮との拉致被害者の帰国問題、ロシアとの北方領土返還問題も安倍さんは「新しいアプローチ」で進めると個人的には言うが、プーチン大統領がどういう格好であれ返還に合意するはずがない。寧ろ経済開発でカネをせびられて終わりだ。

国連改革でアジア、アフリカ諸国との協力が必要だと外交に精を出すが成果が上がっているのか。カネを持って行ってばらまけばどんな国でも歓迎してくれる。日本にいい顔をする裏で中国、ロシアにも良い顔をする外交シーンを度々見る。

各新聞社の世論調査では安倍内閣の支持率が高いがその理由は「他の政権に比べてマシだから」だ。「安倍さんだから」「政策が良いから」を上回っている。
決して安倍さんが評価されているわけではない。当時の民主党政権に比べての評価である。

岸田さんや石破さんなどポスト安倍で名前が挙がっている政治家による政権はどうなのか。安倍さん怖さに何も言われていないが知りたいところだ。

日本の政界の空模様は、安倍強気圧(?)が張り出しているが何時までも続くとは思えない

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