親日家と言われるアーミテージさんが、「トランプ政権発信」(讀賣新聞2017.1.16)でトランプ次期大統領の政策について「もたらす変化、そのための手段が見えない」と危惧する。同感だ。全世界の人たちがそう思っているだろうし、トランプさんが世界の調整役を果たせるかどうか疑問だ。
アーミテージさんと言えば、米国きっての親日家として米国政界で日本の立場を代弁してくれる貴重な存在として知られているが、逆に米政府の政策を日本に強要する役目を負った人材としてみられていることも確かだ。
中東紛争で米軍が戦っているときに「SHOW THE FLAG」といって「日本も参加しろ」と言ったことがあるが、日本政府は「何を言っているのか」と困惑したことがある。「もっとカネを出せ」と言っているのか「人を出し汗をかけ」と言っているのか日本でも見方が分かれた。
そのアーミテージさんが新聞で、トランプ政権のことに言及した。
それによると、「米国の傘でなく自前の核保有を持て」と言ったが選挙戦での誇張した発言で最終的にはとどまると見ている。
在日米軍の責任分担についても日本は相応の負担を負っているし、日本にある飛行場、港湾の使用は「ありがたい」と思わなければならないと言う。アジアの安定は米国の国益であり日米同盟はそれに寄与していると見る。
当然だ。日本は「思いやり予算」も入れて7800億円も拠出している。他に米軍駐留国の負担に比べダントツに多い。軍備ばかりでなく、軍人の娯楽、生活にまで負担しているのだから驚く。トランプさんは実情を知っていないのだ。
TPPの脱退についてはいかなる動きも阻害してみせるだろうという。
トランプさんの選挙戦での公約は米国の産業、米国民の雇用を確保することで、中国、日本、メキシコなどに米国市場が犯されているとみている。一方で、安倍政権はTPP推進で関係国を主導しようと躍起になっている。重要政策に掲げた手前、アメリカの動きは困るのだ。
トップ会談で道は開けると考えているようだが、そう甘くはない。
対中戦略の強行は日本に取っては有り難いが、「1つの中国の見直し」では中国はどう出るか。近隣諸国にも大きく影響する。
一方、対ロシア政策はスキャンダル報道とも関連して「危険」とみている。閣僚とトランプさんで考え方にへだたりがある。トランプさん流にやっていくと自由主義国vs社会主義国の構図も変わってくるのか。
後4日でトランプ大統領だ。ニュースではリハーサルをやっていると言うし、新聞報道ではトランプ不支持は51%で相変わらず不人気と伝える。今回の大統領選は不人気同士の戦いと言われていたので当然だろう。
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