2017年は米次期大統領のトランプさんに振り回される年だろう。トランプさんが今までインタビューやツイーターなどでつぶやいていた政策は米議会と衝突する可能性が高く、早い時期に方向転換が迫られる。
「強いアメリカ」「偉大なアメリカ」と米国だけのことを考えていては世界から見放される。「世界の警察」の立場を断念したと言っても世界の自由主義各国はアメリカの調整を期待している。
まだ候補者として当選したばかりのトランプさんと会談を急いだ安倍総理はトランプさん就任後又、会談を申し込んでいる。「相性が良い」「信頼出来る人物」と評価が高いが、高価なプレゼントを贈ったり何回も会談を要求するなど軽い総理とみられているのではないか。
FRBイエレン議長が利上げを急いだのも利上げに反対し、イエレン議長更迭を発言していたトランプさんに対抗しFRBの主体性を確保したあっぱれな決断だ。
経済成長、雇用を重視するFRBが利上げに踏み切ったのだから米国経済は確かな歩みを進んでいるのだろう。トランプさんは成長率4%を目指すという。
国内産業を活性化させるために法人税を大幅に下げるともいう。産業界に海外生産の国内回帰、国内投資を呼びかけている。ソフトバンクがトランプさんに巨額な投資と8000人に上る雇用増を申し出て歓待された。
移民問題で米国民の雇用が阻害されていると言うが米国は移民で成り立っている社会だ。メキシコの国境に壁ではなく、一部フェンスを立てると言う。そのうちに移民問題は上がってこなくなるのでは。
今、アメリカはドル高、株高で市場は潤っている。ドル高はアメリカ経済の強さを表しているが、トランプさんはドル安を指示していた。輸出を考えてのことだが、今のドル高を容認している。このままドル高、円安が続くとは思っていないのだろう。
反グローバリズム、排他主義は時代に逆行すると批判されている。「自国がしっかりしなくて他国の世話が出来るか」と言うことだろうが一理ある。
日本が海外へ活路を見いだそうと主導したTPPもトランプさんは早期の離脱を宣言した。アメリカの国益に反するというのだ。でも考えてみよう。TPPが論議されているときに日本は国益を害し、アメリカは国益を守ったと言うではないか。それでも国益を害しているというのか。
先のG7伊勢志摩サミットでは安倍総理は世界経済危機回避で財政出動を訴えた。「余裕のある国が財政出動して世界経済を支えろ」と言う事になったが「今、世界経済は危機」という認識は他の首脳にはなかった。
アメリカは今、重大な転換点に来ている。アメリカ社会の活性化のためには、中間層以下が活躍出来ル司法、行政、産業構造に変える必要があるとステイグリッツ教授も言及している。トップ1%の富裕層のための諸制度を変える必要があるというのだ。
それが分かっていればクリントンさんが負け、トランプさんが勝つことぐらい想像が付くはずだ。
各国が自国の国益を優先し内政外交を推進するのは当たり前のこと。為政者が利権に群がっていると中東の紛争国のようになってしまう。
トランプ流のどこに賛成し、どこに反対するか。アメリカのみならず世界の国々の問題なのだ。
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