英国の「強行離脱」の本音は経済なのか、政治なのか。英国の当時の独立性を取り戻し自由な経済活動で経済成長を促進する事が英国の将来像という。
17日、メイ首相がEU離脱について強硬発言をした事がニュースで流れた。「単一市場からの離脱」、「移民の制限」、「EUとは大胆で野心的な自由貿易協定締結」、「包括的なFTA締結を目指す」と完全な離脱を表明した。
しかし、これには上下両院の採決にかけると言うからハードルは高い。先の国民投票では正確な情報が流されなかったために、賛成した国民も後になって「やってしまった」と反省している。
相手のEU27ヶ国も「いいとこ取り」を批判、人、モノ、資本、サービスの4つの自由は単一市場に参加する必要条件で貿易自由化だけを享受する事は許されない言い、英国主導の貿易協定など不可能のようだ。
経済面ばかりでなくEU離脱の要因に政治面がある事は確実だ。欧州連合を考えるときに国内政治を犠牲にしている面が大きい。
EU法を国内法に切り替える。立法権限を取り戻し我々が法律を制定し、我々の裁判所で立法を判断すると言い連合王国の結束を高めるという。
移民問題が今回の離脱の要因の1つであったが移民の数を制限するが技術を持った移民は必要と言う。ただ数が増えすぎる事に抵抗があるのだ。
離脱すれば域内関税0から10%に跳ね上がる事もあるし、金融機関が事業拠点を移す事も考えられ経済面でのマイナスも大きくないか。
今、世界的にグローバリズムが見直されそうだ。「アメリカ第一」のトランプ次期大統領に始まり保護主義が台頭している。
1990年代にピークになりグローバリゼーションは後戻り出来ない状況になってきたが、今、成長鈍化、失業率高止まりで保護主義へと向かっている。これから再上昇するのか、急降下するのか。
「2050年の世界」(エコノミスト誌編 文芸春秋 2012.8.5)によるとエコノミスト誌のシンクタンクであるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが今後の世界経済は大まかに言って3つのシナリオが考えられるという。
それによると、(シナリオ1)コントロールされたグローバリゼーション:市場の開放程度が劣るが、基本的構想とみられている。(シナリオ2)後戻りするグローバリゼーション:保護主義の機運の高まり、経済の弱体化、高失業率で保護主義に走る。(シナリオ3)凋落するグローバリゼーション:成長に悲惨な結果、成長率が世界的に1%程度、新興国、特に最貧国に大きな打撃となる。
ところで今は、(シナリオ2)なのか。アメリカの政策次第と言うとこちらのシナリオだ。
グローバリゼーションと言っても国内政治が混乱したり、難民、移民の増加、経済成長の鈍化になっては意味がないのではないか。
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