2017年1月5日木曜日

今日の新聞を読んで(38):トランプ節に惑わされず、問題点を深化させるチャンスでは

トランプ節(?)に惑わされず、問題点を深化できるチャンスと考えられないか。

トランプ次期大統領が選挙中に発言したこと、最近ではツイッターでつぶやいたことでその真意を推し量ることが出来ず、また人事などからどうなるのか混乱を来しているようだ。しかし、アメリカの立場が直ぐに大きく変わることは世界が許さない。

朝日新聞(2017.1.5)を見て驚いた。地球温暖化対策に反対しているトランプさんから米の気候変動データを守るためにデータの保存活動をするというのだ。トランプさんは化石燃料への規制を見直すと言っていた。

まさか、トランプさんがデータ閲覧を妨害するとは思えないが、そもそも米国は地球温暖化対策に反対していた。要因は別にあるというのだ。地球温暖化対策は科学的検証を後回しに政治課題となり、それに環境団体が便乗して先走りしていった。

トランプさんが反対するのを良いチャンスと捉え、根本的に議論が深まらないかと期待したい。日本でもCO2などの削減をやっても温暖化は防げないと主張する研究者は多い。CO2などによる人為説と自然現象変動説が対立したままだ。

アラスカ大の赤祖父先生は「自然変動6、CO2などの人為1」とみている。トランプさんの反対で地球温暖化の問題点を掘り下げてほしいものだ。

又、フォード、キャリア、GMなどがメキシコへ工場移転を考えていたが、トランプさんがツイッターで批判したためにフォードはメキシコへの工場建設を取りやめて国内の工場を補強するという。トランプさんに屈服したことになるがメキシコからの移民問題、国内雇用の減少など大きな問題を抱えている。

経済成長4%、雇用の創出を掲げて闘ったトランプさんだが、その是非を議論するチャンスでもある。

対ロシア政策もオバマ政権とは違うようだ。オバマ大統領はロシアからのサイバー攻撃に業を煮やしロシア外交官35人を国外追放したが、ロシアのプーチン大統領は報復措置を先延ばししたことで、トランプさんはロシアの決定を賞賛した。

クリミア半島問題などから経済制裁を受けているが、日本は北方4島問題の前進からロシアと会談を予定している。これにアメリカもロシア寄りになると国際政治も難しい局面を迎える。

TPPも反対だ。米議会は批准しないことになったが、日本や関連国では米国抜きも考えているようだ。トランプさんは多国間ではなく2国間での交渉に持ち込みたいようだ。2国間交渉だと比較優位の原則からアメリカが優位になる。

グローバリズムか、ナショナリズムか。しっかり議論が必要だ。

対日本では、在日米軍の駐留費を全額負担しろという。今でも思いやり予算も含めて7800億円位を負担し、米軍が駐留する国ではダントツに巨額だ。しかし、これを機会に在日米軍問題をしっかり検証したらどうか。

米国は安保条約で日本を守っていると考えているようだが、本当にそうなのか。日本のために抑止力にはなっていると思うが、在日米軍は中東などの危機に面して出動するし、対中国、対ロシア、対北朝鮮とアメリカにとっての方が意義が大きいのではないか。資本主義vs社会主義の中で在日米軍の存在が評価されるのだ。

この辺で在日米軍の問題をはっきりさせるべきではないか。

それにしても為替、株価ではトランプ効果が大きい。成長率4%、公共事業、雇用創出、国内産業の保護などの経済政策に市場は答えている。為替も117円台の円安、ドル高だ。しかしトランプさんはドル安を目指すと言っていたが、なぜ、ドル高を容認しているのか。


トランプ節に惑わされず、問題の本質をしっかり掘り下げる必要があるのではないか。そのチャンスだ。

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