トランプ大統領の保護主義はアメリカにとっても世界経済にとっても決していいものではないというのが専門家の見方だが、今日のグローバリズムを引っ張ってきた米国企業経営者だが、戦前の経営者は「利益第一」から「従業員、顧客、社会全体に責任を負わなければならない」という「経営哲学」を持っていた。今の米国企業家は間違っているのだ。
これは日本の経営者にも言えることなのだ。
讀賣新聞(2017.1.29)「吉川 洋 トランプ大統領就任」の記事によると、「内向き歴史は繰り返す」と言い、経済学者東畑精一さんの「アメリカ資本主義見聞記」を引用し米国の経営者は戦前と違って従業員、顧客、さらには社会全体に責任を負わなければならないと企業トップは言い、株主利益を至上とする今の米国型企業とは全く異なる姿だったと記述した。
実は日本でもこう言う考えはあったのだ。
讀賣新聞(2016.7.17)の「売り手良し、買い手良し、世間良し」によると伊藤忠の創業者である忠兵衛は「経営での利益を本家、店、店員」に一定割合で配分した利益三分主義を提唱したのだ。
でも今、円安、株高、異次元の金融緩和で多くの企業は潤っているが内部留保は340兆円にもなるが従業員の給料は増えない。
ある経済学者は「今の企業の業績は労働者を搾取した結果だ」と的を得た主張をしている。
トランプ大統領は反グローバル、保護主義で「アメリカ製品を買え、アメリカで製品をつくれ」と言う。「アメリカに工場を作れば雇用は増える、海外からの製品にアメリカ市場が侵されている。世界はアメリカ製品を買え」というのだ。国境税の考えも出て来た。
トランプ大統領の我が儘が世界経済にどう通用するか。
日本の経営者も創業者の経営哲学を学び直したらどうか。そのまえにメデイアも経営者に対する評価を見直すべきだ。そうしなければ日本社会は良くならない。今のような制度では今後良質な労働力を再生産することは出来ず、そのツケは直接企業家にかえって来ることを忘れてはならない。
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