TPP離脱に署名したトランプ大統領 2017.1.24 モーニングショーより |
トランプ大統領は「アメリカ第一」「偉大なアメリカを取り戻す」と反グローバル、保護主義に走り、先進国で1番早く27日、英国のメイ首相と会談を組んだ。その日は安倍総理が望んでいた会談日だった。
安倍総理は国会で「自由貿易の旗手として21世紀型の経済体制を構築する」とTPP推進などを訴えたが、肝心のトランプ大統領はあらためて離脱を宣言した。
驚いたことにダボス会議の基調講演で中国の習主席が自由貿易の必要性を訴えた。中国こそ不自由、不公平社会だと言うことを忘れたかのようだった。でも中国経済の興隆を考えると海外へ進出しなければいけないのだ。
トランプ大統領の政策にも疑問が出てくる。
雇用の創出、確保が最優先課題である事は選挙期間中から変わっていない。メキシコに工場を作って米国へ輸出する企業には国境税を課すという。慌てて計画変更する企業が出て来た。
でも米国経済は本当に悪いのか。FRBは20万人の雇用増には届かないが失業率も低くなっているとして利上げに向かっている。失業率はオバマ政権下で9.8%から4.7%に改善している。
雇用不安を煽るが、生産工程はロボット化、自動化が進んだため。不法移民に悩ませられているが移民でアメリカ社会は成り立っている。
テレビ画面では鉄鋼産業の衰退をさび付いた工場跡を撮しているが、日本の鉄鋼業も同じ状況に晒されたが企業努力で生き残っている。米国鉄鋼業にはその努力が足りなかったのではないか。
メキシコ、日本、カナダ、中国は米国産業を脅かしているという。TPP、NAFTAの多国間貿易に反対し2国間貿易を推奨している。二国間協議で優位に立ちたいのだ。
想いだしてみよう。中曽根内閣時代(?)だったと想うが輸出に頼らず内需拡大の必要が出て来たために前川レポートが作成された。その後最近の福田内閣で21世紀版前川レポートが提言されたが内需拡大は難しく外需に頼る産業構造が続いている。
何故、内需拡大が出来なかったかというと企業の儲けを家計に再分配する事に企業側が反対したことらしい。そうだろう。今も安倍政権は「賃上げ」を経済界に訴え経団連がそれに答えている。
日米政権共に法人税下げを謳っている。国内に産業を呼び込む必要もあるためだが、税収減は大きい。その一方でトランプ大統領は今後10年で10兆ドルの投資をするという。安倍政権も財政再建の足かせはあるが財政出動で景気の上昇に期待している。
アメリカは成長率4%をかざしているが日本は2%、それも専門家は不可能という。確かに世界経済で先進国では日本だけが0%台だ。
トランプ大統領は先進主要国でのトップ会談に英国のメイ首相を選んだ。EU離脱で反グローバルに進む英国に賛同したのだ。貿易相手国として批判したメキシコ、カナダとの首脳会談も続く。
安倍総理は先進国で1番早く会談を申し込んでいたが2月に入り、それも麻生財務相同伴だ。どの程度信頼されているか、重要視されているか不明だ。
急いで会談して大きな宿題を背負ってかえって来るよりもマシなのではないか。
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