2018年9月2日日曜日

読売新聞「石破氏に聞く」を読んで:政策提言にチョット乏しかったのでは


昨日の総裁選2018「安倍氏に聞く」に続き「石破氏に聞く」が掲載された。インタビューだからあらかじめテーマが打ち合わせされたのだろうが、現職の安倍さんに比べて政策、政局運営に関し良かれ悪しかれ少し内容が乏しかった。

それでも争点にすべきは自民党の在り方だろう。

石破さんは「公正、公平、正直」をモットーとする。安倍自民党に欠けている点だ。しかし強調しすぎると意識しているのか安倍陣営が批判する。「個人攻撃だ」と。一時安倍支持の多い竹下派から不満が上がり石破さんもトーンダウンしたが、政治姿勢に関わることだ。ひるんではいられない。

石破さんは「自由闊達に真実を語り公正に運営し、政治を謙虚に機能させ、あらゆる組織と対話し政策を決定する。あらゆる人を代弁する政党であるべきだと主張している。

安倍さんのトップダウンからボトムアップを重視するのだ。強調すれば安倍批判になりやめれば争点がなくなる。記事のタイトルにもなっている「党内民主主義を重視」ということになるのだ。

所属議員への支持がなぜ、広がらないのか。

ずばり「配分する資源(ポスト)」がないからだという。確かに現職は強い。国会議員は私利私欲で動く。

でも、今は安倍政権を支持しても内閣改造後は失望して反安倍が増えるのではないか。ポスト狙いと言っても誰でもつけるものではない。

憲法9条改正では安倍首相と考えが大きく変わっている。

石破さんは安倍さんの考えが変わったのだという。以前は同じ考えだったというのだ。

安倍草案は憲法9条に自衛隊を明記することが特徴だ。ところが、石破さんは2条を廃止し国防軍の設置を主張する。今まで自民党の憲法改正部会で審議した草案なのだ。安倍さんはその案を無視して自分好みの草案を通そうとしているので、自民党内でも異論が多い。

そこで国民投票は国を混乱させる例が海外では多い。

これに対して、野党を含めて賛同が得られる項目をやるべきで、国論を二分したり国政混乱は国益に反するという。

問題はどんな憲法改正草案を提出するかだ。国論を二分したり、政権選択の可能性は出てくる。「国の将来をどうするか」という問題を抱えているのだから当然だ。

世論調査では「安倍政権では改正に反対」という声も大きい。それだけ安倍さんは信用されていないのだ。

石破さんが米国に自衛隊基地を置く構想を持っていることは初めて知った。訓練の恒常化、日米地位協定の見直し、安保条約の維持などに貢献できると石破さんは主張するのだ。

金融緩和の「出口戦略」はいつまで必要か。

石破さんは米国の景気、中国の過剰生産、過剰設備投資は一帯一路で解決できるのかと問い、日本版NEC構想を打ち出す。

でもこの問題は2%物価目標、金融政策の正常化に向けての課題であり、アベノミクスを見直し、景気を金利で調整する金融政策正常化への挑戦になる。安倍政権では無理だろう。

政治、行政への信頼回復の具体策は「担当大臣」を置き、4つの分野ごとに信頼回復に努めるという。

不祥事や課題が出てくると担当大臣を置き対応するがあまり意味はない。現状は安倍総理の私物化で混乱しているのだ。安倍総理が引退すれば60%は解決できるのではないか。そして石破総理が誕生すれば皆様子見だ。少しづつ意識改革が出てくるのではないか。

混乱し、疲弊している行政、国会審議を軽視する立法、一度ぶっ壊す必要があるのかも知れない。小泉さんは「自民党をぶっ壊す」と言って支持されたが、「自民党は変わったのでぶっ壊さなかった」と言っていた。

あの時、ぶっ壊しておけばどうなったか。



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