2018年9月4日火曜日

選手vs絶対権力者の構図:続くスポーツ団体のパワハラ、セクハラ事件


選手vs権力者、レスリングに始まり、アメフト部、ボクシング、そして体操女子のスポーツ団体のパワハラ、セクハラ事件が続くがどの事件にも共通項が見いだせる。オリンピックなどで大きな実績を上げているが立場の弱い選手と一方で、これも指導者として実績が大きい絶対権力者の戦いなのだ。

レスリングでの伊調選手と栄元監督の関係は不思議だ。オリンピックで勝利し肩車でリングを走り回り喜び合っていた2人が、伊調選手へのパワハラ発言に次いで練習場への出入り禁止などひどい仕打ちに変わったようだ。

栄元監督が属する大学の学長まで記者会見し「栄は権力などない。権力がない人間にパワハラなどない」とか「伊調は選手なのですか」と発言し火に油を注ぐ状況になったが、栄元監督が解任され一件落着だ。

日大アメフト部の「相手チームのQBを潰せ」という暴行傷害事件にも関する指示を監督やコーチが与えたという疑惑事件だ。当該選手が単独で記者会見し指示があったと告白したが、翌日の内田元監督、コーチの記者会見では否定した。

日大の学長が記者会見し謝罪したが日大のトップである理事長は記者会見せず、今に至っている。どうも暴力団関係者との関係を聞かれることをきらったようだ。

第三者委員会の調査では、事実を認めたがトップの責任までは言及しなかった。内田さんは全ての役職を解任されアメフト連盟から追放された格好だ。

アマチュアボクシング協会の山根元会長も暴力団との関係、利権誘導で右往左往したが全ての役職を辞任した。判定まで口出しし権威を振り回した。

そして、体操女子の暴力問題、コーチ追放は該当する宮川選手が記者会見し全否定し自分はコーチと今後も練習すると訴えた。相手であり権力者である塚原夫妻は「全てウソ」と全否定したが翌日、「直接会って謝罪したい」と180度態度を変えた。

宮川さんは記者会見したのに塚原さんは記者会見しないのかとメデイアは騒ぐ。
詳細は第三者委員会の調査待ちだが塚原さんが主催する朝日生命クラブに宮川さんを引き抜きたいためにコーチの暴行事件を持ち出して追放しようとしたのだ。

引き抜きは御法度だし、団体内で主導権争いがあるようだ。40年来の騒動だという。

これらの事件を見ると共通項が見える。

長く組織内で実権を握るとどうしても組織を私物化してしまう。疑惑を抱えても自浄作用が出てこず根深い疑惑として残る。

その犠牲になるのが選手だ。オリンピックに出て良い成績を収める事を目標に練習を積んできたが監督などの思惑から疑惑に巻き込まれる。選手は権力者の道具でしかない。

組織自体も外部の人間を入れず、選手出身で固めるために「選手ファースト」から利権あさりになってくる。

その結果、スポーツ団体は信頼を落とし、スポーツ団体は何処もそうかという事になる。不祥事が出るためにスポーツ庁、文科省は騒ぐが後手後手ではないか。

こんな組織内部のゴタゴタがある事は業界では皆知っていることだが、だれも批判の声を上げない。声を上げるときは二進も三進も行かなくなってからだ。



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