2012年2月7日火曜日

国会の平行線審議:考えの主張し合いでは何も決まらない


参院予算委員会での野田総理
政権と野党の考え、持論の主張
し合いでは何も決まらない。政権
には野党の意見も取り入れる
懐の深さが要求されないか
2012.2.7 NHK国会中継

国会の委員会審議を聞いていると、お互いに持論を主張し合う平行線審議では何も決まらない。これでは突っ込んだ審議もできず、民主党政権が事前協議を要求する気持ちもわからないではない。

7日の参院予算委員会で、みんなの党の小野議員が「事前協議でないとダメなのか」と社会保障と税の一体改革などで事前協議を要求している政権に説いただした。岡田副総理は「もっと突込んだ議論が必要」といい、野田総理は「国会審議もしっかりやるが、否定することもおかしいのでは」と野党の姿勢に不満を述べた。

公明党の魚住議員は、今、喫緊の課題であるデフレ脱却、円高への対応に機動的な金融政策を要求した。日銀の白川総裁は、デフレ脱却し経済成長への道筋は変わらず、物価安定の展望ができるまではゼロ金利を継続するという。物価安定は2%以内、物価指数がどうか、下落と景気悪化、物価感などを考慮するらしい。資金供給が減っているのではないかとの問いにも、資金供給も十分で実態経済に反映させたいという。

日銀は従来の考え、政策を正当化するだけだが、魚住さんは「何もやらないということか」と怒り、デフレ脱却に思い切った手を打ち、物価安定ばかりでなく、雇用の最大化にも努めてほしいと注文を付けた。

昨日6日の参院予算委員会でも白川総裁は円高を「大変厳しい問題と認識、よく状況を点検し政策に取り組みたい」と殊勝なことを言っていたが、市場は少し円安に動いたがけ為替介入の意思はなかったのだ。

更なる金融政策の必要性は叫ばれているが日銀に打つ手がないのか。インフレ・ターゲットの設定も嫌がっている日銀に、そんな度胸は期待できない。

みんなの党の小野さんは、「身を切る改革が必要というがどんな改革か」と問う。野田総理は「定数削減などの政治改革、特法、独法などの削減を含めた行財政改革だ」という。「ではどれを増税の前にするのか」と聞くと「すべてにおいて結果を出せることができなければ増税はない」とまで言い切った。岡田さんは、法案の成立は与野党での話し合い次第だという。

さらに国家公務員の給与削減は、2年間に限る時限的なものか。2年たったら元に戻すのかと質問。川端総務大臣は「時限であるが、法律が通れば労使交渉になる」といい、「いつになったら20%削減が実現するのか」の問いに岡田副総理同じ考えを示した。

議員歳費の引き下げ、政党交付金の削減を岡田さんがメデイアなどで語っていたが、この可能性について岡田副総理は「議員歳費については言及しないことにし、政党交付金については各党にいろんな意見がある」とトーン・ダウンした答弁になった。

消費税増税関連法案に景気動向の条件が付いているが、どういう経済変動なら増税が猶予されるのかの問いに、安住財務相は、「具体的な数字を法律には書きこむことはできないが、その時の政府の高度な政治判断による」という。小野さんは、それじゃ予算が組めないのではないかと反論する。

批判も多くて増税関連法案に無理矢理に景気条項を付けたが、政府のさじ加減でいかようにもなるということだ。

民主党政権が、増税案成立後に国民に信を問うのは遅すぎないかと小野さんは追求するが、野田総理は「やり抜いた後で信を問う」の一点張りだが、小野さんは「法案提出後に国民に信を問うのが本筋ではないか」と反論した。民主党が敗けた場合はどうなるんだと問いかけに、野田総理は「争点がいろいろある。国民が判断することだ」と答弁した。

野田総理は、「決められる政治」を施政方針演説で主張したが、国会審議を聞いていると、お互いに考え、持論を主張し合うだけで何ら結論の出ない平行線の審議が続き、最後は時間切れで質問が終わる。

消費税増税だって、民主党政権の従来の方針を変えて、法案提出後に国民の信を問うような協調点がどうして見いだせないのか。

小者の政治家の集まりに怒りを覚える。

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