政府広報が載った読売新聞 2013.6.17 |
内閣官房の「“次元のちがう”成長戦略、実行へ!」の政府広報が新聞に載った(讀新聞 2013.6.17)。“次元のちがう”成長戦略と政府は言うが、市場には「NO」を突きつけられ、エコノミストの評判も今ひとつの感がする戦略なのだ。
「次元」とは、1次元、2次元、3次元とモノの広がりを意味するのだが、モノの見方、考え方が従来とは違って優れている場合に「次元が違う」と言うし、一方で「次元が低い」とも使われる。
今回続けて発表されている「成長戦略」が、行政を担当する官僚がテーマを掲げ、総花的で、その内容は担当官庁の担当部門にしか分からず、国民に理解しにくい内容であれば「次元の低い」ことにならないか。
規制改革、構造改革が必要と専門家は言うが、官僚が掲げる政策は既得権益者、官僚の利権をも破棄するモノでなければならないが、その点はどうなのか。官僚の天下り、利権を放棄して初めて可能となるのではないか。
成長戦略をテーマに情報番組では、IT産業、サービス業などの経営者が出席して司会者の質問に答えているが、規制改革などを含めて要望事項を順位づけてフリップに記入している。当然自分の事業を中心にしているのは分かるが、「政府の発表した政策で新しい事業を展開するぞ」という経営者はいないようだ。
経済評論家もありきたりのコメントしか出来ない。
見ていて、聞いていてこれで国内投資が増え、消費が増えるとは思われない。
「法人税下げ」を挙げるが、法人の70%を越える企業が赤字を理由に法人税を払っていないというのに、法人税下げがどの程度企業活動に影響するのか。むしろ赤字企業の存在価値があるのか。毎年赤字を出してもやっていけるボランテイア企業が存在するのか。
「女性が輝く社会」は重要だと思う。待機児童の問題が社会問題化している。確か神奈川県は待機児童をゼロにしたと評価されているが、その要因は株式会社の参入だという。チェーン化でコストダウンを可能にしているのだろうが、既存の施設の責任者はそのやり方を危惧していた。
育児休暇を取れと言うが、民間企業に可能なのか。県知事や国家公務員、NHKなど公益事業、大企業のほんの一部では可能だろうが、全産業、全企業に行き渡る政策とは思えない。
民間の活力を最大限生かすとも言う。法人税下げ、設備投資減税、規制改革などで民間が本当に動くのか。
資金は市場にダブついているが、やりたい事業が見つからないと本音を吐く経営者もいる。
労働者を犠牲にし、低成長下でも収益を上げる構造を作り上げ、それに浸たってきた企業に思い切った改革など出来ない。
成長戦略をもっと掘り下げて考えてみないか。
民主党政権時やった「事業仕分け」さながらの「成長戦略仕分け」をやってみたらどうか。説明に四苦八苦する政策は落としていくのだ。成長戦略と言いながら従来の政策、事業が姿を変えて登場しているかもしれない。
いつも成長戦略は成果が出ていないのだ。
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