それでも円は安全資産か、米国の阿鼻叫喚の円買い・ドル売りが続く。7日注目されていた米・雇用統計も就業者数は増加したモノの失業率が0.1ポイント悪化したことで量的緩和縮小懸念も回避し株は200ドルアップ、しかしNY為替は一時ドル94.98えんまで値上がりしたが、その後97円台に収まった。東京為替は96円台だった。
米国では、FRBのバーナンキ議長が量的緩和の可能性を示唆したことからそれがいつかで市場は戦々恐々としているようだ。縮小の判断が「労働市場の大幅改善」という抽象的表現であるために、発表される雇用統計、製造業景況指数、実質的国内総生産などの経済指標と市場の予想との関係で憶測が飛ぶ。
我が国もアベノミクスで円安、株高の効果が出ていると政府関係者や一部エコノミストはコメントするが、米国内の経済状況に大きく影響を受け、為替の変動、それに伴って株価は乱高下する。
ドルを売って円買いのケースが多いが円は安全資産なのか、それとも苦し紛れの行為なのか。
我が国の経済事情は決して良いはずがない。
政府債務は1000兆円を超えようとし、対GDP比245%で先進国に比べて悪さ加減は突出している。財政健全化は国際公約で厳守すると言うが誰も2020年度に黒字化など守れるとは思っていない。13年度の赤字は37兆円で消費税を今より15%増税が必要な内容だと言う。財政健全化に向け第4の矢が放たれるらしい。
経団連の試算では毎年3.9兆円の削減が必要なのだ。それでも財界は法人税下げを要求する。
今回発表された成長戦略も具体的内容に欠け、失望感の方が強い。
安倍総理の大胆な金融緩和、黒田・日銀の「異次元の金融緩和」がなくても日本経済の不安から円安になったのではないかと思うぐらいだ。
円安は輸出を促進し、株高に導いた。企業業績が上がれば儲けで家計を刺激するトリクルダウン効果がでて、安倍総理が言うように10年で150万円の所得増に結びつけば良いのだけれど、長期のデフレ下でも労働者を犠牲にし、企業収益を上げる構造を作り上げ、それに浸ル事に慣れた企業に期待出来るのか。
海外のヘッジファンドによる急激な株高は、フェッジファンドの大儲けで終わり、円安による物価高はコントロールの効かない好ましくないインフレの可能性が出てきた。
アベノミクス、異次元の金融緩和は国民生活を混乱させる事になりそうだ。
そんな先行き不安な日本の通貨である円を安全資産と見ているとは思えない。他に良い投資先が無いための阿鼻叫喚の円買い・ドル売りに振り回されている世界経済だ。
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